連載コラム


セイルセッティングpart2

ダウンとアウトの役割分担

ツイストを稼働させるセッティングの要となるのは、言うまでもなくダウンとアウトだ。そこでまずは、ダウンとアウトそれぞれが、セイルとどのような関係にあるのか、セイルにどのような影響を与えるのか、乗り手目線で考えてみよう。

ダウンはセイルの「軽さ」を作る。セイルを立てた時に感じる軽さ、風を受けた時に感じる軽さ、ジャイブでセイルを返す時の軽さ、などのセイル全体から感じられる軽さ。そして、ダウンを引くほどセイルは軽くなり、緩めるほど重くなる。

セイル使用感は、言うまでもなく軽い方が良い。たとえば7.0なのに6.0のように軽快に使える。風を受けた時も6.0みたいに軽く引き込めて、ジャイブもまるで6.0を使っているような軽さ。なのにサイズはまぎれもなく7.0で、6.0よりも圧倒的に弱い風でプレーニングできる、というのが最高に決まってる。

そのためには、繰り返して言うが、ダウンを相当量引く必要がある。

ただし度を超した引きすぎはダメ。今度はセイルがスカスカして、7.0なのに6.0相当の風効率しか生み出さなく、7.0を使ってるのにちっとも走ってくれない、となってしまう。もちろんダウン不足はもっとダメ。ダウン不足がデメリットだらけであることは、すでに言うまでもない。

アウトは、セイル手/後ろの手の重さ(バックハンドパワー)を作る。アウトを緩めるほどセイル手にかかる力は重くなり、引くほどかかる力は軽くなる。

だからオーバーではアウトを引く。そうしてバックハンドパワーを軽くすることで、爆風下でも引き込みが容易になり、強風を耐えられる。またアンダーではアウトを緩めてバックハンドパワーを重くし、手応えを作り出す。その手応えを引き込むことで弱風の加速が作る出せる。

まとめてみよう。ダウンはいつもしっかり引いて、セイルに軽い使い心地を作る。これは風の強弱に関係なく(原則として)いつも一定だ。そして、アンダーやオーバーに対応するのはアウトの役目。アウトは、アンダーなほど緩め、オーバーなほど引く。

ただし、プレーニングできないアンダーと、沈と紙一重なギリギリのオーバー時はダウンをいじる。基本のベストダウンテンションから最大でプラスマイナス1.0cmほど緩めたり引いたりするのは、ケースバイケースだ。