連載コラム


ジャイブについて

いつもとは少し違った視点から考えてみるpart1

雑誌でもネットでも、ジャイブに関しては多くの人が、多くのことを語っている。それらを読み解こうとすると、時として、あの人とこの人の言ってることが相反して思えることがある。そんなとき「さて、どっちが正しいのか?」。

その答えは実はどちらも正しいことが多い。異なることを言っているようで、実は「言いたいことは同じ」。でもその焦点が異なることがあり、そこにちょっとした問題がある。言い方次第では「なるほど」と納得できることも、わずかに表現が違うだけで「何言ってるのか、まったくわからい」となる。すなわち、わずかな表現の違いで自分に「ハマるか、ハマらないか」。

私的に、これまで雑誌やネットなどを介して、あれこれと手を替え品を替えて、多くの人にジャイブの悩み解消のヒントを提案しようと長年試みてきたが、それでもなおヒントのヒの字も伝えることのできていない人がいると実感している。そこで、これまでやったことのない新たな視点から、今一度ジャイブに関して考え直してみようと思った。もしかしたら、やっぱり「何言ってるんだかサッパリ」かもしれない。でも、もしかしたら、これまでの解説では不明瞭だった「何か」に気付く人がいるかもしれない。

ジャイブを三分割で考える

もしあなたが車を運転するとして、目の前にカーブが差し掛かったとイメージしてみてください。ハンドルを一気に切ってそのまま、なんてことは絶対に無く、緩く切って、強く切って、また緩めるなどこまめにハンドル操作してるはず。アクセルも同様。カーブの入り口では緩め、そこから先は緩めたり少し踏み込んだり、もしかしたらアクセルから足を離してブレーキを踏むこともある。何が言いたいかといえば、カービング(曲がる)という行為は、一発でキメるものではなく、様子を伺いながら途中で何回かに分けて操作するものだということ。そしてジャイブもまた曲がる行為である以上、車と同様に何回かに分けてハンドルを切り、アクセルを緩めたりなど、そうした行為が積み重なった上で完成するということ。

さて、そこであなたのジャイブ。ターンの入り口で後ろ足でレイルプレッシャーをかけて、まさかそのままの状態を最後までキープなんてことありませんか?車でカーブを曲がるときは、たぶん数え切れないほどの操作を重ね合わせている。でもジャイブでは、ターンのすべてを一発でキメようとする。そこに無理があり、だから失敗する。

特に、まだジャイブに苦手意識を持つ人は、たぶん感覚的に「ジャイブは一瞬で終わって」しまう。そしてその一瞬を一発でキメようとする。でもその一瞬の間に「あれをしてこれもして」があるのを知っていて、それが出来ないから悩んでいるのではないだろうか。そこで、ちょっと視点を変えてジャイブを三分割する。いかに一瞬と思えるジャイブでも、「途中で一息入れて大丈夫ですよ」という条件付きで3回に分けるくらいなら、どうにか思考も体も反応できるだろうから。

セクション1

セクション1(上2枚の写真)は、これからジャイブしようとする準備場面(俗に言うアプローチ)。車で言えば、カーブの入り口のところで、カーブの先を見据えて「どのくらいハンドルを切ったらいいか」「スピードは足りてるか、それともオーバースピードか」を伺う場面。ここでは「レイルをまだ『踏まない』」。ジャイブで悩む多くの人は、ここで焦ってレイルを踏んで、すなわち一気にハンドルを大きく切るから失敗する。

セクション2

セクション2(上3枚の写真)は、「レイルを大きく『踏み込んで』」一気に曲がって行く場面。車で言えばカーブの頂点のところで、ハンドル操作も最大になる最も重要な場面。

セクション3

セクション3(上2枚の写真)はカーブの出口付近。ジャイブに悩む多くの人は、まだこの時点でターンが「足りてない」ことが多い。だから「もう一度レイルを『踏み直す』」。言い換えるならハンドルの切り加減が不足で最終カーブを曲がり切れないから、もうちょっとだけハンドルを追加して切ってやる場面。そうして初めて次の直線へとスムーズにターンが完成し、且つスピードを保ったまま次の直線へと侵入できる。

レイルの踏み方に焦点を当てると、セクション1はまだレイルを踏まない。セクション2で1回目のレイルプレッシャー、そしてセクション3でもう一回プレッシャー。すなわち「踏まない」「踏む」「もう一度踏む」の3回。これがジャイブの三分割だ。