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Q:Kさんからの質問 ニールのRS SLALOMのカムですが、自分のはウルトラカムではありません。ウルトラカムに比べると違いはありますか。またウルトラカムに交換可能なのでしょうか。 |
A:セイル年式が不明ですが、RS SLALOMの初期モデルはローラーカムタイプでした。ローラーカムとは、現在もニール以外のすべてのブランドが採用しているカムで、セイル本体に厚布製やプラスチック製のバテン先端が収まるパーツが付いていて、そこにカムをはめ込むタイプ。対してニールが採用するウルトラカムは、セイル本体にスライド形式のパーツが付いていて、バテン先端の収まるキャップと紐で連動してカムが前後に動く、少し複雑なタイプです。
もしウルトラカムが優れているとしたら、レース上位はニールに圧倒されるはずで、しかしそうではないのだから両者においてどちらが優れているということは無いと言えます。それどころか他に比べて決してウルトラカムの「返り」が良いというわけではないことで、ローラーカムの方が優れていると評価する人も多くいます。 セイルは、カムの大きさに合わせてスリーブの幅が決定されるなど、トータルパッケージでデザインされ作られています。またローラーカムのバテン先端キャップ部にリング状のわずか2〜3ミリのスペーサーを噛ませることでカムの返りやすさやドラフトの固定度を変更できることからもわかるように、そのトータルパッケージデザインは繊細です。にもかかわらず初期設定のデザインとは異なるカムに交換するというのは、性能を引き下げる可能性が高いと言えるでしょう。 ウルトラカムへの交換は可能ですが、上記したように、交換したことで性能面で逆効果になる可能性があること、また交換には多くのパーツと作業工程が必要で、それに要する時間も膨大にかかることから金額的に1つのカム交換だけで数千円では済まないこと(もし4つ交換したら2年落ちの中古セイルが買えるでしょう)を考えれば、ウルトラカムへの交換は非現実的と言えます。それよりも、しっかりチューニングを煮詰め、今のセイルを使い込んで最高性能を引き出してやることの方が現実的でしょう。 |