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Q:N.Kさんからの質問 スターボードFUTURA122に8.5と7.5のカムセイルでの、コントロール性とプレーニング性を兼ね備えたフィンを教えてください。現在、ドレイクのSLALOM 44cmを使っていますが(コンプリートの40cmから変更)、プレーニングへの入りやすさは感じられるものの、上りすぎてしまうときがあり、またジャイブで回りづらさも感じます。 |
A:当コーナーでも重ね重ね解説しているように、フィンの選択はとても難しく(板やゲレンデコンディション、使用セイルやどのようなセイルチューニングで乗っているか、乗り手の体格やレベル、さらにはパワーなどで異なるため)、「これ」と明示できません。そこで、ここでは消去法で考えてみましょう。
カーボンはG10よりも硬いがゆえにピーキーでダマしが効きにくいという素材的特徴を持ちます。最速を求めるならそれは当然に「有り」ですが、ジャイブ練習を考慮するなら「ダマしの効きやすさ」がジャイブ完成のフォローをしてくれる可能性を多いに期待できるG10に軍配あり。ゆえにカーボンは消去。 先端が切り落とされたような形状のフィンは、やはりダマしが効きにくいという点で消去。 そうして考えると、残る選択は、素材がG10で、先端が少し尖った形状のフィン、となるでしょう。 この「先端が少し尖った形状」という部分ですが、現在使用中のフィンでプレーニングに何等支障がなく楽しめているようなので、意識して後傾気味のフリーライドフィンを選ぶ必要は無さそうに思えます。プレーニングも重視するなら、一般的にレースフィンとかスラロームフィンと呼ばれる直立タイプで良さそうです。 次にサイズ。現在使用中の44cmはカーボンと思われますが、それだと上りすぎることがあるということで、少し大きすぎるのだと判断できます。ただしここで、一般的にカーボンはG10よりもリフト力が強い、すなわちG10より大きく感じるということを考慮しなければなりません。すなわちカーボンの44cmは大きすぎるけど、G10の44cmなら平気かもしれないということ。 また使用中のフィンはたぶん先端が切り落とされたような形状をしているでしょうから、先端が尖ったタイプの44cmなら尚更リフト力が大きすぎることは無さそうだということ。すなわち、素材がG10で先端が少し尖った形状のフィンなら、44cmで良さそうだということです。 質問内には記しませんでしたが、届いた原文には幾つかの候補が記されていました。それぞれについて考えてみましょう。 マウイフィンカンパニーのLIQUID PROはG10素材と先端が尖り気味の形状に魅力がありますが、後傾気味であるのでプレーニングに満足できるかどうか不明。とはいえ、有力候補になりそうです。ドレイクのカーボンフィンとデボシのANAIROはカーボンなので選択肢から外れるでしょう。テクトニクスマウイのTARONはスラロームでの実績からプレーニング性能の満足が大いに期待でき、またG10素材で先端が尖り気味なので最有力候補となりそうです。 冒頭記したようにフィン選びは非常に難しく、実際に試してみないことには本質に迫ることさえできません。しかし実際に試すのは無理な話。また、ここでは「カーボンは消去」と断定的に話を進めましたが、同じカーボンでもわずかなカーボン含有率の違いや使用エポキシ樹脂の種類、さらにはフォイルの違いで大きく性能が変わるのも事実。なのでさらにフィン選択に正確を期したいのならば、候補のフィンを実際に使う人を見つけ、またショップでの聞き込み捜査も加えて、個々どんな感じかの情報を広く集めて最終判断するしかありません。 |