RAM F10にGOLD

QBさんからの質問

ノースのRAM F10 8.0とGOLD490の組み合わせで使っていますが、風が入ってもブーム上のカムが返りません。ダウン、アウト、バテンテンションまで調整しましたが改善されず、カムを削る等の作業が必要なのか、それともやはりRAMはプラチナでなければならないのか悩んでいます。

ARAM F10 8.0の推奨マストはプラチナの460。これで最高の性能が発揮されます。対してそれ以外のマストを使う場合は最高の状態にはなりません。これはどのセイルも(レース系セイルでは特に)同じ。推奨と異なるマストを使う場合は、「それでも使える」という範囲での話と理解し、出来る限り良い状態へとチューニングを施すしかありません。

ゴールドはプラチナよりもレスポンスに劣ります。セッティングではマストが柔らかく(腰が弱く)感じるでしょう。こうしたマストを使う場合は、「セイルレスポンスが低下する」「ドラフトが浅くなる」「カムの返りが悪くなる」などの支障が発生します。それらを理解した上で「どうやったらベストではないけどベターなセッティングができるか?」が課題となります。もちろんセイルに記載されるLUFFやBOOMといったセッティング数値もまったくアテにならなくなるので、自分でベストセッティングを探すことが必要です。

そうしたことを踏まえた上で質問のカムの返りの悪さを検証すると、2つの原因が考えられるでしょう。

ひとつはダウンの引き過ぎによってドラフトが浅くなり、それに伴ってカムが「浮いた」状態になっていること。カムが浮いているとは、カムが反対側に『カチッ』と返りきれない、ということです。この場合はダウンを少し緩めて(同時にアウトも少し緩めて)ドラフトを深く形成させます。これでカムの浮きが解消されます。

それとは反対にダウンが不足していてもカムの返りは阻害されます。プラチナよりも腰の弱いゴールドの方がダウンを余計に引かなければならないはずで、それが中途半端だとドラフトが深すぎてカムが返りにくくなるのです。もし質問者が記載LUFF数値に合わせてダウンを引いているとしたら、それはたぶんダウン不足のはずなので、もっと大胆にダウンを引いて試してみることをお勧めします。(どれほど余計にダウンを引けば良いかは、ゴールドで試したことがないのでわかりません)

もうひとつの原因として考えられるのは、推奨マスト(460cm)と異なる長さの490cmであることで、カム部のマスト径に違いがあって返りにくいというパターン。この場合はカムとマストの接する力を弱めてやれば改善する可能性が高く、そのためにはバテンテンションを少し緩めて様子を見ます。

これらの方法を別々ではなく、同時に複合させて試すことも大切。それでも尚、推奨マスト使用時と同等にスムーズなカムの返りにならないかもしれませんが、限りなくそこに近づけることはできるはずです。

ちなみに、ノースのセイルでカムを削るというのは実際に試したことはもちろんのこと、聞いたこともありません。ノースのカムは返りやすい方なので、カムに手を加えなくてもチューニングで解決できるでしょう。