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Q:Yさんからの質問 06年のガストラMATRIX7.0を使っています。アウトの調整ですが、「0テンションがいい」とのことでそうしたいのですが、そもそも0テンションという概念がわかりません。聞く人によって説明が異なるのでますますわからなくなってしまいます。 |
A:0テンションとは、アウトを緩めることも引くこともない状態のことです。が、それがどの程度であるのか?は確かにわかりずらいです。明確な基準が無いので、同じ0テンションと表現しても人によってその度合いに違いがあるし、メーカーによっても、個々のセイルによっても、示される数値には誤差とは言えないほどの差があります。とは言え、まったく指針が無いというわけでもありません。そこで、ここでは2つの一般的且つ代表的な0テンションの解釈について解説しておきます。 通常の(セイルを寝かせた状態での)セッティングシーンにおいて。ダウンを完璧に引き終わった状態で、アウトを緩めたままだとクリュー(セイルのアウト付近)が「く」の字に折れます。これがマイナステンションであることは理解に容易いでしょう。そこから折れ曲がりがちょうどピンとなるまで引いたところ。それが0テンションです。
この方法によって0テンションを探し当てたら、次にセイルを立ててみましょう。風を受けずに、です。0テンションのアウトチューニングをしたはずなのに、セイルを立てると、それまでピンとしてたクリュー付近が再び折れ曲がるのに気づくでしょう。セイルを寝かせていたときは重力によってセイルが膨らんだ状態だったのが、立てたことで「あまり」ができたわけです。ここにもうひとつの0テンションの基準があります。こうしてできたクリューの折れ曲がりが無くなるまでアウトを引く。それを0テンションと表現する場合もあるのです。
この2つめの0テンションのチューニングは、マストを下側に、ブームエンドを上にして立ててできたクリューの折れ曲がりを判断基準にするとわかりやすいでしょう。
セイルを寝かせてアウトを引く0テンションと、ブームエンドを上にしてチューニングする0テンションとでは、後者の方がテンションが少し強く、すなわちアウトを引くことになります。その差はセイルによって異なりますがおおよそ2cmくらい。それは自分の探す0テンションがその2cmの範囲内にある、ということです。あとはその範囲内で最適なテンションを探すだけ。とはいえそれもまた難しいと思うかもしれません。そんなときは、アンダーでは最初の方法(セイルを寝かせてアウトを引く)で、オーバーのときは後の方法(ブームエンドを上にして立ててアウトを引く)で乗ってみてください。概ねそれで正解のはずです。 |
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