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Q:T.Nさんからの質問 使用しているセイルで「ブーム長185cm」という指定があった場合、使用するブームは165cmベースと180cmベースと、どちらが良いのでしょうか?雑誌などでプロ選手の写真を見ると、ほとんどの方が15cm以上ブーム(EX)を伸ばして見えますが、反面で、あまり伸ばすといわゆる「たわみ」が出そうにも思います。尚、自分はフリースタイルをメインで楽しんでいます。 |
A:ブームエクステンションの伸ばし加減には、2つの要素が関係すると思います。まずひとつは、あまりエンドエクステンションを伸ばすと、質問にあるように「たわみ」が発生するということ。たとえば50cmまで伸ばせるブームがあったとして(この場合、180cmベースならば230cmまで伸ばせることになります)、限界の50cmまで伸ばすのは問題があります。一般的には、伸ばすのは40cm程度までに止めておかないと、「たわみ」が生じて、ブーム性能に支障をきたすだけでなく、破損の原因にもなると考えます。ブームを伸ばすのは、目一杯伸ばしたときよりもマイナス10cm(できればマイナス15cm)を目安にするのが、「たわみ」もなく、破損の原因も抱えずに済みます。 次に、たとえば180cmのブームが必要だとして、まったく伸ばさないで済む180cmベースのブームと、140cmベースを40cm伸ばして180cmにできるブームの両方がある場合、140cmベースの方は180cmベースよりも本体が40cm短い分だけ重量的に軽く使えるという考えがあります。180cmベースではエンドエクステンション部すべてがブームパイプ本体の中に収まっているのですから、その分だけ余計な重量があるということです。 この2つの要素を考えるとき、必要とされるブームの長さが問題になります。その長さの境目となる目安は200cmくらい。200cmを越えるブーム長のセイルの場合は、セイル重量もそれなりで(サイズがそれなりに大きいので)、ブーム重量はあまり意識しないで済みます。ブームが少しくらい重くなっても、それをはるかに上回ってセイルが重いために、多少のブーム重量の増減は実感出来ないということです。逆にブームが長い分だけ「たわみ」には敏感になるので、なるべくエクステンションは伸ばさずに使うのが良いと考えられます。対して質問者のようにフリースタイルやウェイブを中心に楽しんでいる人の場合は、使うセイルサイズもさほど大きくなく、ブーム長が200cmを下回ることが多いでしょう。この場合は、どちらかと言えば、「たわみ」よりもブーム重量によるセイル取り回しの容易さが重要視されると思います。セイル重量が軽いのでブームのちょっとした重さも気になるということ。そのため少し短めのブームベース長の方が良いだろうということになります。 質問には、185cmのセイルに対して、180cmプラス5cmか?165cmプラス20cmか?とあります。これを上記要素に当てはめると、必要とされるブーム長が短いので、チェックすべきは「たわみ」よりも「重量」、また「たわみ」が発生する最長マイナス10cmを上回らないという理由で、165cmプラス20cmの方がベストだと考えて良いと思います。 ただし、他の手持ちセイルで必要なブーム長との互換性も忘れずに考慮してください。なるべく少ない本数のブームで、なるべく多くのサイズのセイルがセットできること。これもまたとても大切な要素ですから。 |
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