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Q:C.Sさんからの質問 今年、ニールのV8 8.5を新調し、ゲレンデに全く同じセイルがあったため見比べてみるとドラフトの深さが違っていました。私はデータとおりにセットしたつもりでしたが、その人のはダウンを2cm緩めたくらいに見え、もしかしたらデータの見方に問題があるのかも?とセッティングに半信半疑になっています。そこで、ラフ長とブーム長はどこをどのように測ればよいのかニールを例に教えてください。 |
A:セイルに記されたラフ長(LUFF)表記には2種類あります。たとえば「460プラス25センチ」のような場合と、単純に485センチと記された場合。前者の場合は、そのセイルの推奨マストに、そのメーカーのジョイントを25センチ上げてセットすることを示しているのでわかりやすいですが、後者では、単純に460センチのマストに25センチのエクステンションアップをすれば良いときと、本来のラフ長数値のときがあり、わかりにくい場合があります。 ラフ長を、マストとエクステンションの合計値と思うのは間違いです。ラフ長とはセイルのリーディングエッジ、すなわち前縁のカーブの、セイルトップからボトムまでの距離。この場合のボトムとは、セイルの一番下にダウンプーリー(滑車)が位置する場合、そのプーリーの一番下縁まで。プーリーよりも下にフットが出ている場合、その下縁までを示します。この長さを正確に測るには、長い巻き尺を使って、セイル前縁のカーブに添って測る必要があります。 |
ただしこれは「ラフ長」の基本概念の話で、その表記数値にはメーカーごとに違いがあるのが現実です。たとえばノースはフットが出てるけれどもプーリーの下縁までの数値、など。で、ニールV8の場合は、正確にはセイルトップからダウンプーリーの中心軸までの寸法です(写真参照)。 |
ニールには、セイルにもよるようですが、ラフ長く加えて、エクステンションを何センチ上げれば良いかという表示も同時記載されていると思います。そして同時表記されたマストプラスエクステンションの数値は、その寸法にエクステンションをセットしてダウンを引いた際に、プーリーとクリートの間が1センチくらいの間隔があると想定しての数値のようです。理由は、実際のところプーリーとクリートがぴったり接するまでダウンを引ききることが不可能だから。そうした意味でこの数値は実状に添った記載だと言えるでしょう。 ちなみにV8 8.5の場合、表示通りの寸法にエクステンションを上げ、いっぱいまで(プーリーとクリートに1センチほどの隙間が残って)引っ張ってちょうど。少し使ってセイルが伸び始めたあとは、プラス2センチ上げて、アンダーでは元の表示寸法通り、オーバーではプラス2センチ分引く、という範囲でベストテンションが探せると思います。もちろんこうしたテンションは、このコーナーでも幾度となく解説したことですが、表記数値はあくまで目安とし、そこから先は使い手がリーチのタレ具合などを参考にして的確にセットしてやる必要があります。その方法についてはバックナンバーを拾い読みしてみてください。 ブーム長は、セットしたときのセイルの前縁からアウトホールのあるクリュー後ろ端までの距離です。これはブームでいうと、マストがセットされる一番前側からブームエンド内側までの距離。このブーム長の測り方や表記方法に、メーカーごとの違いはありません。 これらのことを考えると、質問者の場合、その同じゲレンデで見かけたセイルよりも、質問者のセッティングの方が正しいと言えると思います。V8はそれほどドラフトが深いセイルではないので、自分のセッティングに自信を持って良いと思います。 |
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