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Q:H.Mさんからの質問 以前からずっとダカインのハーネスを使用していたのですが、最近違うブランドに買い換えました。使っていたダカインはハーネスフック(スプレッダーバー)がベルト上を左右にスライドするので、向きを変えるたびにフックを後ろの脇腹方向にずらして乗っていたのですが、今のはフックが中央に固定されてしまうため、すごく違和感を感じます。こうした場合、乗り方を変えたり、ハーネスラインの位置を変えるなどが必要なのでしょうか。 |
A:質問者の違和感、とてもよくわかります。なぜなら私もまた同じで、ハーネスフック(スプレッダーバー)を、腰をグイと捻ることで後ろ側の脇腹に近づけて乗るからです。スタボーならフックは中央より少し左の脇腹側にあり、ポートなら右の脇腹側に寄せる。それはわずかな位置変化ですが、そうすることでセイルの引き込みが(後ろ側の脇腹で引きやすくて)強く保てるからです。 ただこれはオールドスタイルと言えます。昔のハーネスはフックが左右にスライドするのが当たり前だったので、それで乗り慣れてしまっているからの癖で、今のハーネスは全てがフック中央固定式でその方が引き込みが安定するというのが常識になってますが、しかしそうした「NOW」から少しはみ出たこうした昔ながらの個人的志向もまた、日常を快適にする大切なことだとも思います。 今のハーネスのハーネスフックは、右側はハーネスの右から伸びる1本もしくは2本のベルトで、また左側は左からのベルトで止めるため、フックは体の丹田の位置で固定されます。それが良いのはわかっていますが、昔ながらのスタイルで乗り慣れた者としてはそこに違和感を感じ、良いはずのものが逆効果となって、実際のところ、乗りにくさだけでなく、最高速を削り落としたりさえするという現実があると私自身、強く実感しています。 そのため私は、固定タイプのハーネスを、バーが左右に動くように細工して使っています。その方法はとても簡単。写真が無いので、ちょっとイメージしながら読み進めてください。まず、選ぶべきは左右から幅4〜5センチ幅のベルトでバーを止めているタイプ。片側を2〜2.5センチ幅のベルト2本、左右だと4本で止めるタイプだと細工は無理です。 左右それぞれ1本のベルトで止めるタイプは、左のベルトはスプレッダーバーの左側を通りハーネスの左側のバックルで、右のベルトはバーの右側を通り右側のバックルで止まります。それを私は右利きのため、右手でベルトを締めることができるように、右のバックルだけで止めることができる長さまで左のベルトを延長します。その方法は簡単で、右のベルトを根元からハサミで切り、それを左のベルトの先に縫い付けるだけ。縫いしろは2センチもあれば十分です。その際、縫い付けやすいように切り口を平らに、また切り口からベルト生地がほつれないようにして(通常はハンダコテで溶かしたりしますがライターで軽く溶かしてもOK)縫い付けます。その縫い付け作業そのものは直線縫いの家庭用ミシンでもできる簡単な作業です。 もし作業に失敗したり、ベルトの長さが足りない時は街の生地屋さんでPPテープと呼ばれるものを購入します。PPテープには様々な幅のものと、同じ幅でも薄手のものと厚手のものがあるので、その厚手のものを。もちろん色は黒で。昔のダカインはベルト幅5センチでしたが、今のベルトは4センチが主流です。このPPテープを使うのであれば、もはや最初からハーネスに付いていたベルトは左右とも必要ありません。昔のダカインがそうであったように適正な長さのPPテープをスプレッダーバーに通し、左はハーネスの左のバックルで、右は右のバックルで締めれば良いだけ。これならば縫う必要さえないので、さらに簡単です。 前記したように写真がないのでわかりづらいかもしれないし、縫い付け作業のためのミシンが無いとか、PPテープが入手できないなどの支障があるならば、当方に依頼いただければご希望のものを提供することも可能です。 最後に余談。こうしたベルト1本でスプレッダーバーを通すタイプの場合、やはりダカインがそうであったように、バックルを外した際にベルトからバーがスルリと抜け落ちてしまうので、うっかり浜でバーを落としてしまわないようにちょっとのご注意を。 |