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Q:Gさんからの質問 コロナ収束後に海外トリップを夢見ています。その候補のひとつがユーチューブで見つけたペルー。南米にして治安良く、温暖で、年間通して15から25ノットのポートサイドの風でウェイブが楽しめるようです。そこで質問。ちょっと先走りですが、夢が現実になるだろうその日に向けて。海外サイトでは大きめのウェイブボードと4.7から6.0のセイルがフィットとあり、また実際に行ったことのある海外の人のコメントだと、76リッターの板と4.5でほとんどOKだったとか、15ノットくらいの風の日が多いからデカめの板がいいとか、ちょっと情報が錯綜しています。そうした情報を踏まえて、体重63キロの私は、セイルは4.7と5.2でほぼ確定と考えているのですが、板をどうしようかと。手持ちボードは82リッターと106リッター。2本とも持って行くのが良いのは承知ですが、オーバーチャージを考えれば、できれば1本で済ませたいところ。みなさん海外遠征の時は複数本の板を持って行くのが常識なのでしょうか。また、ギアのパッキンについてもよくわかりません。 |
A:チューニングという当ページの内容からは少し外れますが、このページで回答させていただきます。 もちろん、より多くの板とセイルサイズを随行できればそれに越したことはありません。でも質問者が言う通り、できる限り身軽に道具を減らした方が良いのも正解。そうした現実の中で、セイルサイズは4.7と5.2で正解だろうと思うので、板を1本に絞るとしたら、を想定して考えてみましょう。 その答えを出すために最初に考えるべきは、どの時期に行くのか、またどのくらいの期間行くのか、です。例えば国内で御前崎に行くとしましょう。冬に行くのと夏に行くのとでは全く状況が異なります。また風の良い冬に行くとしても、3日行くのか、2週間行くのかでは異なる。それはすなわち、少ない可能性をモノにしたいのか、じっくり待ってでもベストコンディションを手にしたいのか、の違い。そうした視点から考えてみると、乗れる可能性を高めてくれるのは106リッター。4.7オーバーの風だと使い勝手は良くないでしょうが、乗れないよりはマシ、となるでしょう。82リッターを選んだとしたら、コンディションがジャストミートしてくれれば最高の思い出が作れるでしょうが、一歩外したら悔しい思いをすることでしょう。 その上で私が質問者だったとしたら82リッターを選ぶと思います。あくまでこれは私の性格ゆえのことでもありますが、同じ当たりくじでも2等や3等ではなく、できれば1番くじを引きたいから(それが吉と出るか凶と出るかは結果論ですが)。すなわち、もしベストなコンディションに出会えるなら、是非ともそれは外したくないという意識。質問の中に、海外の人のコメントとしてデカ目の板がいいとの情報がありましたが、その人は多分(外人だからと決めつけるのはあまり良い考えではありませんが一般論として)、質問者よりも体重が重いだろうと想像でき、さらにはもしその人が75キロを超えるような体重だとして(その可能性は大いにあります)、100リッターの板と5.8がジャストミートしたのだったなら、質問者の体重であれば、82リッターと5.2で十分にカバーできるだろうと思うから。また、情報通りに15ノットの風があるとするなら、同上の組み合わせで問題なく乗れるだろうと思えるのも、82リッターを選んだ方が良さそうだという理由です。 次にギアパッキングについて。まず板はボードケースに入れるのが必須。もう大昔の話ですが私が海外遠征していたときは、2本入りとか3本入りのトラベルケースを使っていました。トラベル用のボードケースは一般的なケースとは異なり全面に衝撃吸収材が内包されているので運搬中のダメージへの対応度が高い。今もそうした専用ケースは入手可能だろうし、さらに性能良くキャスターまで付いたものもあると思いますが、単発の旅行用にそれを手にするには、多分あまりに値段がお高い。となると一般的な薄手のボードケースを使用することになるでしょう。ただしその場合は、ケースに入れる前に板をエアパッキン(俗にいうプチプチ)で全面覆うことが必要。ピンポイントのダメージに弱いデッキ面は特に2枚、3枚重ねで。潰れやすいノーズとテイルは、さらに念入りに。 その上でボードケースにまだ余裕があるようなら、ブームも入れる。それでもまだ余裕があるなら、キチキチに細く巻いてセイルケースに入れたセイルも入れる。そこまで行ければジョイントも入るでしょうから、ジョイントも。ただしジョイントはクリート部など尖った部分がるので、板やセイルを傷つけないためにエアパッキンで梱包して。 そこまで行ければ残るはマストだけ。マストばかりは長さ的にボードケースに入らないでしょうから、別枠で運ばなければならないかもしれません。でもマストは軽いから、しっかりしたマストケースに入っているなら特別な処置は必要ないかもしれません。いずれにしても考慮すべきは、荷物が丁寧に扱われずに多少投げられたりしても大丈夫だろうと思える程度の処置をしておくということです。 こうした処置は海外への到着時の対処。日本人は荷物を手荒に扱わないので帰国時はそこまで神経質になる必要はありませんが、海外では何でもありと思っておくべきでしょう。実際に私は自分の板が飛行機の開いた貨物室から地面に投げ落とされるのを見たことがあるので、どうにも心配性です(その時は見事にノーズがひしゃげてました)。 あとはオーバーチャージ。路線や航空会社によってオーバーチャージには違いがるので、そこは事前に要チェックです。荷物は個数が少ない方がお得なのか、数が多くてもひとつひとつが軽い方が良いのか、さらには単純に総重量でプライスが決まるのか、軽くて大きなものに関しては容積計算でオーバーチャージが決まるのか、などなど。それらは、なるべくコンパクトにまとめる必要があるなどギアパッキンの仕方の指針になるので大切な事前情報になるでしょう。ちなみにこれまた大昔の私的な話になりますが、板4本、セイル10枚、それに伴うブームやらマストをオーストラリアまで運ぶとき「別送」を使ったことがあります。カウンターで手荷物処理するととんでもない値段だったのが、(別窓口で手間ですが)別送という方法で半額以下で運べた経験があります。それはDHLのような単純な配送とは異なり、自分の乗る飛行機に別枠で載せるという方法。特に板のような軽いけどデカく、重さではなく容積でオーバーチャージが計算されるようなものに関しては、相当にお得に持って行けた経験があります。それが今もあるのかどうかわかりませんが、こうした別枠の運搬方法もあるかもしれないので、まだまだ夢の実現まで時間がるだろう今、未来のウインドトリップに向けて、より負担なく安全に道具を運べる方法を色々と探ってみるのも楽しいかもしれません。 |