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Q:J.Mさんからの質問 ロフトセイルのSWITCHBLADEを手に入れたのですが、どうしてもカムが入りません。当HPの過去歴でSDMマストを使うなら75%くらいが良いとありましたが、当方手持ちマストが100%であることでセッティングに支障があるのでしょうか。 |
A:過去数年来スイッチブレードを使っていて、実際に多種多様なマストで試してみた経験からすれば、カーボン100%であろうが、10年以上前の太めのマストであろうが、他のメーカーのマストであろうが、支障無くセッティングできるはずです。 まずはカムを確認。ちゃんとSDM用のカムが装着されていますか?スイッチブレードには初期設定として、新品にはSDM用のカムが装着され、それとは別にマストケースにRDM用のカムが付属しています。なのでRDMマストを使うときはカムを装着し直す必要があります。質問者の場合はオークションで手に入れたとのことなので、もしかしたら装着のカムがRDM用という可能性もあります。その場合、SDM用のカムに替える必要があります。もしSDM用のカムが無いのであれば、まずはそれを入手です。 SDMカムが装着されているとして、それでもセッティングが難しいとしたら、今一度、基本のセッティング方法に立ち返って確認してみましょう。 まず、マストスリーブにマストを通しますが、その際はスリーブ内でカムの上側にマストを通すように。ここで間違える人はいないでしょうが念のため。 次にLUFF数値を目安にエクステンションを準備(質問者のセイルサイズがわからないので具体的な数値は明記できず)。2mのダウンシートを使っていると仮定して、セイル側のプーリー(滑車)とジョイント側のプーリーに通し終えた状態で、ジョイントのクリートから15センチほどシートが出るくらいで(それはほとんどダウンを引いていないということ)ダウンを仮止め。 次に記載のBOOM数値に長さをセットしたブームを、カットオフ(スリーブのブームを取り付けるためのカットされた部分/スイッチブレードではファスナーで閉じられるようになっている箇所)の一番下に仮止め。ブームの仮止め箇所によっては、ここから先のダウンを引く場面で、ブームがカットオフの上部に行き当たってそれ以上ダウンが引けなくなったり、それに気付かず無理して引けばスリーブが破損する場合もあるので注意。そうした懸念が見られたら、途中で仮止め位置を下に付け変えるなどのひと手間を惜しまずに。 ブームを仮止めしたら、アウトを出来るだけ引く。ブームエンドに足をかけて、力一杯な感じで強く引きます。 これで、ダウンは引いていない、でもアウトは引いている。すなわち「縦のテンションはほとんど無く」「横のテンションだけが強くかかっている」状態になりました。 ここで初めてカムを押し入れます。スリーブとパネルの縫い目あたりを上から押しながら、逆の手で、マストの下にあるカムをマストに噛ませるように下から押し入れて装着します。このとき押し入れるカムの順番は、下から順に。下のカム部=下のバテン部、の方が上よりもドラフトカーブが深いという理由で、カムの押し入れはドラフトの深い箇所から順番という基本に添って、下のカムから順に押し入れます。 もし押し入れたカムがすぐに外れてしまうようであれば、それは横テンションが弱い証拠なので、ダウンは引かないまま、アウトだけをもっと引いて再トライしてください。 カムが定着したらダウンを規定値まで引きます。繰り返しますが、このとき仮止めのブームがカットオフの上部に行き当たってしまわないように注意です。 ダウンを引き終えたら、仮止めしたブームを一度外して、あらためて的確なブーム高さ箇所にセットし直し。そして規定値までアウトを引いてセッティング完了です。 冒頭に記しましたが、この手順(それはスイッチブレードに限らずすべてのカムセイルに共通する手順)を正しくトレースしてセッティングすれば、カーボン含有率の違いや多少のマスト径の太さの違いがあっても、支障無くセッティングできるはずです。 カムが上手に装着できないと悩む人によくあるパターンとしては、「ダウンを引かずにアウトを引く」という基本動作の欠落に原因がある場合がほとんど。最悪のパターンとしては、ブームを取り付けずにダウンだけを引いてカムを押し入れようとする人を時々見かけますが、それはもちろん論外。そんなことをしていたら、たとえセッティングできたとしても、近い将来にセイルが破損します(セイルが短命になってしまう)。 メーカーによっては、また個々のセイルによっては、この基本手順をトレースしなくても張れるものもありますが、それは手順を省略してもセットできる例外的なセイル。それを標準と勘違いすることの無いように、質問者に限らずカムセイルのセッティングに関してわずかでも悩みがある人は、ここに記した基本手順通りにセットしましょう。 |