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Q:Y.Tさんからの質問 アジャスタブルトップの場合、固定のものよりもマストの先端がスリーブ上部から少し出てしまいますが、ベルトを一番短くセットすればセイル記載のLUFF数値を基本としてセッティングして良いのでしょうか。使用セイル(4.9m2)の記載LUFF長が419cmで使用マストは400cm。アジャスタブルトップを最短にセットしてもスリーブの最上部から2cmほど出ているので、今はジョイントエクステンションをひとつ伸ばしてLUFF421cmでセッティングしています。使用感は良さそうに思うのですが、今後チューニングを試すに当たり、まずは基本を知りたいです。 |
A:ベルトなどでLUFF長を調節できるアジャスタブルトップの場合、その記載されるLUFF長はベルトを最短にセットしての数値と判断するのが基本です。たしかにスリーブのトップ内に収まり固定されているのものと比べると先端がスリーブから飛び出てしまいますが、作り手はそれを考慮してLUFF数値を算出していると考えておおよそ間違いありません。「おおよそ」というのは、そもそも記載数値は目安であって、そこから個々使用のマストの特性や使用者の好みに合わせてチューニングするのが当然という現実を考慮しての「誤差を含む」という意味です。 質問者のセイルのLUFF数値419cmというのは、アジャスタブルトップを最短にセットして、そこからセイルのダウンプーリー(滑車)の最下端までが419cmでセットする、ということ。実際にアジャスタブルトップを最短でセットしてスリーブの頭から2センチ飛び出すならば、それも含めての419cmだと解釈して良いでしょう。 アジャスタブルトップのセイルの場合、初見としてはアジャスタを最短にセットしての数値と認識するのが通例。 セイルに記載されるLUFF数値は、アジャスタブルトップを最短にセットし、そこから数えてセイル側プーリーの一番下側までの数値を示していると解釈するのが基本。セイル側プーリーとエクステンション側のプーリー(下側の黒パーツ部)の間が数センチ開いているのがこの写真。 ウインドサーフィンマガジンのウェイブサイトのQ&A質問箱にも寄稿しましたが、セイル側プーリーとジョイント側プーリーがピッタリと密接するまでダウンを引くのは不可能だという現実があります。双方のプーリーはシートが行き来して引かれるわけですが、よほど双方プーリーの位置的相性が抜群でない限り、またダウンテンションが弱めでない限りは、双方のプーリーが密着するまで引き切れないのが通常。その現実において、しっかりと引き切るには、双方プーリーの間にはそれなりの隙間が必要で、その隙間は最低でも1.5センチほどが必要と考えるべきです。
もし質問者がこのエクステンションを使っていると仮定したならば、エクステンションを22センチ上げて余り1,5センチまで引く必要有り、となりますが、意識的には、400センチのマストに22センチのエクステンションを加えたのだから(合計数値的には)400.5センチまで引いた、と思いがち。そうした見た目的な「思い込み数値」と実際に測った場合の「実数値」とに誤差があるかもしれない、と認識しておくことは、今後、ミリ単位での正しいチューニングをする上での必要条件になります。もちろん上級者はこうした採寸などの検証は日常当たり前に行っているのは言うまでもありません。もしこうした検証をしていないとしたら、それは上級者を語った中級者です。 これら二つの要素「引き切るための現実」と「自分の使うエクステンションの実数値」を考え合わせるなら、質問者が「419cmのところを421cmでセットしている」というのも、もしかしたらそれで正確に419cmまで引けてるだけ、なのかもしれません。もちろんそうでは無くて421cmまで引いていたとしても、それで「調子がいい」と感じているならば、それはチューニングの範疇の話なので、無理して419cmまで緩める必要は無いと思います。ただし、もしまだ正しく419cmで試したことが無いと思えるなら、エクステンションにメジャーを当てて実寸を測るなど、一度はそうした面倒な作業を検証して試してみることは、間違いなく今後の飼料となることでしょう。 |