ファルコン121適合フィン

QH.Mさんからの質問

2011年モデルのファナティックFALCON121に適合するフィンを教えてください。

A私自身、同年モデルのワンサイズ小さなファルコン111を愛用していました。そのフィンは、G10の42センチ。ただしカーボンなら40センチ、レーサーがダウンウインドで最速を求めるなら、G10なら40センチ、カーボンなら38センチが標準でした。

これら違いを説明する上で、まずはG10とカーボンの違いについて知っておく必要があるでしょう。G10とはグラスファイバーをG10というエポキシ樹脂で固めた素材のことで(G11というのもあり数字が大きいほど硬い)、カーボンとはその素材の元となる生地がカーボン=炭素繊維の編んだもの、であるということ。両者には、一般論として、プレーニング中にG10の方が「しなりやすく=水中で曲がりやすく」、カーボンの方が「しならない=曲がらずに硬い」という違いがあります。

G10とカーボン、どちらが絶対に高性能との優劣勝敗は未だ決していません。セイルが風の強弱に合わせてツイストする(=しなる)のと同様に、フィンもまた硬すぎる事なく「しなやかに」ツイストした方が良いという意見も根強く、まだその理論的な結論に達していないからでしょう。

ただし両者、選ぶべきフィンサイズには注意が必要。例えば同じ40センチのフィンがあるとして、単純比較で考えるなら、カーボンはカチカチに硬く、対してG10は曲がります。そして曲がる分だけG10の方が小さく感じます。なので、G10の40センチに該当するカーボンは、ワンサイズ=2センチ程度小さな38センチ、という違いがそこに生じます。

それらを踏まえた上で質問に戻ると、ファルコン121に適合しそうなフィンは、カーボンなら42センチ、G10なら44センチになるでしょう。ただしこれは「普段乗り」の場合。普段乗りとは、単発ブローしか走れないようなガスティーな場面でも使い、またダウンウインド(アビームかそれよりも下った状態)限定ではなく、時として目一杯クローズを走ったり、またまったくプレーニングできないオフショアの中を岸まで上って帰らなければならないなど、あれもこれもの状況を想定した場合、という意味です。ゆえにもし質問者が恵まれた風速の中、ダウンウインドでの最速重視限定でその板を使うなら、それよりもワンサイズ小さなもの、カーボンなら40センチ、G10なら42センチが選択肢になると思います。

過去歴に繰り返し説明したように、フィンは同じ素材、同じサイズでも、個々のデザイン(メーカーやモデル名)によって手応えが大きく異なる事も忘れてはいけません。ならばどのメーカーの、どのフィンがベストか、と聞かれても、実際に使ってみないと何とも言えないのでお答えしようがありません。だからこそ、身近な上級者の意見やショップでのアドバイスを目安にして、の選択が大切になります。