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Q:Kさんからの質問 2012年モデルのシマースタイル2XC、7.1と7.8を使っています。しかし風が弱くても7.1の方が使い勝手が良く、そのため7.8を使い切れずに悩んでいます。カタログ上の推奨マストはSC8、SC6(ともにSDM)、またRDM10、RDM8、RDM6と適応域が広く、その中のRDM6を使っているのですが、どうにもしっくりとセットできません。スペーサーを入れたり、ダウンやアウトを調整しても出口が見つかりません。2カムの大きめのセイルは、やはりSDMでないとダメなんでしょうか。何か解決策はありますか。 |
A:結論から言えば、たぶんマストが柔らかすぎるのでしょう。 確認しておきましょう。SDMとRDMでは、同じカーボン含有率でもRDMの方が柔らかく感じます。またカーボン含有率が低いほど柔らかくなります。それを踏まえた上で推奨マストとなっているSC8(SDMカーボン80%)、SC6(SDMカーボン60%)、RDM10(RDMカーボン100%)、RDM8(RDMカーボン80%)、RDM6(RDMカーボン60%)を硬い方から並べると、SC8=RDM10(両者互角)、SC6=RDM8(両者互角)、RDM6の順。すなわちRDM6は群を抜いて柔らかいということです。 一般論としてカムセイルを考えると、やはりそれなりのマストの硬さを必要とするため、トップレースセイルならカーボン100の最も硬いものを好み、カムの少ないセカンドレースセイルでその下のカーボン含有率を好むと言う性質があります。その上で2012年シマースタイルのレース系セイルを見ると、トップクラスのSCRがSC10、その下のSCSがSC8かRDM10としても、さらにその下の2XCはSC6かRDM8が限界と推測できます。通常のカムセイルを考えるならば、2XCでもできればSC8かRDM10の方が良いとさえ思われます。そうしたことからもRDM6はダントツの枠外となってしまいます。 柔らかいマストであっても、それが推奨範囲内であれば「張れない」ことはありません。しかし弊害として「パネルテンションが弱い=ブローで形崩れしやすい」「ドラフトが浅くなる=カムの返りもイマイチ」などが表面化します。それがチューニングでどうにかなれば良いし、また多少弊害があってもそれを承知で使うのならば(使用コンディションを選ぶなど)問題ありませんが、やはり性能的には少し違和感を覚えてしまうことでしょう。 質問に対する答えとして、あくまで私的にはマストの買替えをオススメします。その際の購入マストはRDM10。SC8でも良いですが、カムセイル=SDMマストという概念は今やトップレースセイルだけのものであり、それ以外のセイル(RDM使用可のもの)では、しなやかにツイストしやすいRDMの方が使用感が軽くて優しいので、それの方が使い勝手が良いと思うからです。ちなみに私的推奨マストを候補順に挙げるなら、記したように一番はRDM10、次点がSC8で、三番手がRDM8。それ以外の選択肢は無しです。 |