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Q:T.Oさんからの質問 気付いたらフィンボックスの前側が欠けていて、傷口が広がってきました。リペアしたいと思うのですが、口で吸ってみたもののボックスの穴が邪魔で確認できず、浸水の有無が判断できません。また浸水していた場合の対処方法もわかりません。 |
A:海水の場合、吸ってみて「しょっぱい」水が出てくれば浸水の有無がすぐにわかりますが、それができないとなると熱を加えるしかないでしょう。 熱を加えるとは「好天時に破損箇所を(ボトムを表にして)直射日光に当てる」もしくは、今の季節の室内であれば、破損場所のボトム面を「ストーブで暖める」です。ストーブの場合は板が「熱くなりすぎる」と表皮の剥離などの弊害が出るので、さわって熱くないほど(暖かい程度)の距離を保って暖めます。 今のサンドイッチ構造の板は、外皮と内皮の間に挟まれた硬質ウレタン材か、もしくは内皮と芯材である発泡スチロールの間に水が染み込むことがほとんどなので(芯材の発泡スチロールは水を吸いません。それは海岸に流れ着く発砲スチロールの箱がベチャベチャに水を吸っていないことからもわかるでしょう)。そうした「隙間」に浸水した水は暖めると「毛細管現象」で破損箇所から表に出てきます。 もし浸水している場合は傷口から「プクプク」と泡のように水が出てきます。また海水の場合は出た水が乾燥して傷口周辺に塩が固まって見えることもあります。このような状況が見られたなら浸水していた証拠。そこから先は、いかに浸水した水を排出するか、です。 屋外、ストーブによる屋内ともに、最低でも(丸一日単位で)4〜5日は排水を継続する必要があります。それで排水がなくなるようであれば、浸水度合いは少なかったと判断できるので、自分でリペアできるならば傷を塞ぎます。 もし一週間以上にも渡って浸水作業をしても相変わらず水が出てくるようならば、それは相当量の浸水がある証拠なので、そこから先はプロの手でリペアしてもらうしかありません。熟練のプロならば、浸水した表皮から芯材まですべてをキレイさっぱり取り除き、再構築してくれるはずです。 |