MAUISAIL タイタンの適用マスト

QH.Sさんからの質問

2012年モデルのマウイセイルTITAN GSのマストについて、SDMが良いのかRDMでも可能なのか。またカーボン含有率は。カーボン100%は折れやすいとの話もあり、どれが良いのか悩んでいます。

Aマウイセイルと言えば浅野則夫プロ。ということで直接聞いてみました。

まず、一般論として考えるならSDMの100%がベスト。ベストというのは当該セイルの性格上(スピード系)、そのマストが一番パフォーマンスが高いということです。ここで質問者の「カーボン100%は折れやすいのでは?」との懸念が生じますが、強すぎないラフカーブを持つタイタンでは、その懸念は相当に薄いものになるでしょう。折れる原因の筆頭は、マストを大きく「曲げる」ことにあります。ラフカーブがキツければキツいほどマストは大きく曲がることになって、それが「折れ」を誘発しやすくなり、ラフカーブが緩いほどその逆になるということ。もちろんマストは折れても何等不思議ないアイテムではありますが、上記の理由により「100%=折れやすい」との公式は、このセイルには必ずしも当てはまらないように思います。

スピードを追求するのでなければSDMの75%あたりが良いでしょう。レスポンス的には100%に劣りますが、耐久性の面では安心が増すことでしょう。

RDMに関しては浅野プロも試してみたとのこと。結果は、SDMと遜色無い性能だったようです。ただしRDMの場合はマストとカムの間に隙間が生じるので、ガストラなどの「カムスペーサー」を1つ挟むとカムとマストの遊びが解消されてより完璧(スペーサーを噛ませずにカムとマストの間に隙間があってもカムが外れることはないとのこと)。

尚、RDMは細いがゆえにどうしてもSDMより「柔らかく」感じます。そのためRDMを選ぶのなら100%が良さそうに思います。RDMの75%の場合は、SDMの75%よりもさらに「腰が弱くなる」ので、スピード重視でないサンデーセイリング用と位置づけるなら、それも十分に「有り」です。

結論として、セイル性能を目一杯引き出したいならSDMの100%。マストに不安があるならSDMよりも耐久性に優れるRDMの100%(細いRDMは肉厚が厚いので一般論としてSDMより折れやすい傾向があるから)。また性能を最大限まで追求しないのであればSDMの75%、といったところでしょう。