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Q:T.Aさんからの質問 スラスターのフィンサイズについて。ファナティックのフリーウェイブ106に乗っていますが、付属のフィンは29センチのシングルで、先日乗った際に波の中では思ったよりも回しにくく、スラスターに変えれば改善できるのかと思いました。13センチのサイドフィンを持っているのでそれを使うと仮定した場合、センターはどのくらいが良いでしょうか。好みによると思いますが現在20〜24センチを薦められています。上りを多少犠牲にしても回転性重視を希望しています。 |
A:最新モデルのスラスターを見てみると、センターが22センチでサイドが8〜10センチ、センターが20センチだとサイドが10センチ以上というのが定番のようです。ちなみにサイドが10センチ以上(12センチなど)でもセンターが18センチを下回ると直進性に支障が出始めます。
フィンに関してはいつも記すことですが、同じ長さでも個々モデルごとにフィーリングが大きく異なるので、単純にサイズだけで語ることができません。サイズはあくまで目安にしかならないことを承知の上で読み進めてください。 少しスラスターについて考えてみましょう。スラスターとは3枚フィンのこと。トリプルと呼ばれることもありますが、トリプルは正確には同じサイズのフィンが3枚付いた板のことで、センターフィンが大きく、サイドに小さなオマケのようなフィンを持つものがスラスター。またこのサイドフィンそのものをスラスターと呼ぶこともあります。 このスラスター、ターン時には基本的にアウトレイル側のフィンは水面上にあります。すなわち水面に噛むのはセンターフィンとインレイル側のサイドフィン。そしてこのサイドフィンはトップターンの最後の引っかかりとして機能します。シングルでレイルを深く入れて(板を大きく傾けて)強く蹴り出したら「抜けて」スラッシュしすぎたというような場面でも、最後の最後でスラスターが噛んで板の挙動をコントロールさせてくれます。対してボトムターンではさほど機能しては感じません。ボトムターンはあくまでレイルが主役で、その補佐としてセンターフィンがあるだけ、といった感じだからでしょうか。ちなみに有名人で最も古くからスラスターを好んだのがロビー・ナッシュさん。シングルだ、ツインだと世間が騒ぐ中でも彼は一貫してスラスターを好み、また彼が現役のときの板に乗らせてもらったことがありますが、レイルを噛ませるのが滅法難しく、無理すれば小さなセンターフィンでスピンアウトしてまったく乗りこなせなかった苦い記憶があります。これは余談ですが。 もうひとつ、質問者の板について考察してみましょう。ファナティックのフリースタイルウェイブの今昔を比べての違いを誇張して言うなら(あくまで誇張しての話)、昔のは「板で曲がって、フィンで真っすぐ走る」のに対して、今のは「板で真っすぐ走って、フィンで曲がる」です。すなわち当該ボードがスラスター仕様になってから以降のモデルに関しては、真っすぐ走ろうとする板を小さなフィンで曲げる指向と考えられます。ここにも質問者の欲求不満の原因が隠れているのかもしれません。そのため、私的なことを言うなら、同板の95リッターを愛用する私自身、5年前のシングルを今も愛用しています。今のとは相性が合わないのであえて「曲がろうとしてくれる」昔の板を使い続けているということです。 話が脱線しましたが、これらを考え合わせるなら、サイドに13センチを使うならセンターは20センチ、サイドを8〜10センチに変更するならセンターは22センチあたりがターゲットになりそうです。あとは個々のフィン性能での判別になるでしょう。 |