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Q:Pさんからの質問 ガストラの中古のセイルを購入したところ、カムの上下が逆さになって入っていました。どちらを上にしていいやらわかりません。バテンごとに上下逆さまに入れるようなことがあるのでしょうか。 |
A:今のカムになる前のガストラカムは、上下面が、片方は平らで片方はふくらんでいます。そのどちらを上と呼び、どちらを下と呼ぶのかは知りませんが、上下があることだけは確かです。
例えばノースセイルの場合、カムは同じように上下非対称で、しかし膨らみが下側と決まっています。しかしガストラはセイルによって異なり、また同じ名前のセイルでも年度によって異なり、さらにはブームの下は上向きだけどブームの上は下向き、などバラバラ。私も修理する際はわからなくならないように覚えておかなければならないほど、そこに規則性は見出せません。そのため最初の段階でカムがどちら向きに入っていたかをバテンごとに守る必要があります。すなわち質問者が懸念する「上下逆に入っていることがあるのか?」との問いの答えは「ある」です。 もし質問者がカムを外してしまい、それぞれのバテンごとに上下どちら向きで入っていたかわからなくなってしまったとしたら、仕方無いのでまずはすべてのカムを「膨らみを下に」セットしてみましょう。なぜ膨らみを下に、かと言うと、それの方がダウンを引く際にカムが「捻れにくい」からです。 それでセットしてみて、もし返りが悪い箇所があったら、そこのカムを上下逆さに入れ替えます。通常その入れ替えは、「ブームから下」と「ブームから上」、(ブームと交差するクロスバテンは下の組)の2組に分かれるはずです。すなわち、もしブームのひとつ上のカムは膨らみが上向きの方がセイルの返りが良かったとしたなら、ブームから上のカムはすべて上向きになる、ということです。 ちなみにプロ選手の中には、そのカムの当時、チューニングとしてカムを初期設定とは上下逆に入れている人もいました。理由は「それの方がカムが返しやすいから」。これは、カムの上下をたとえ逆にしても、バテンが折れたり、マストにダメージを与えないから安心、ということを示唆しています。 |