ウッド構造の板の浸水

QH.Oさんからの質問

2011年モデルi-SONICの107を中古で購入したのですが、テイル部分にピンホールがあるようで、暑い日に水がしみ出してきました。その穴は塞いだのですが、浸水していた影響かボトム面が木がふやけたときのように縦に幾つもの線ができてわずかですが膨らんでもいます。どう対処すれば良いのでしょうか。

A残念ながらその対処方法はありません。唯一あるとしたらドレンコックを開け、暑い日中の日なたでわずかずつでも、何日もかけて気長に内部乾燥させることですが、正直なところあまり効果は期待できないと思います。

ウッドを使う板のサンドイッチ構造は、内部の発泡スチロール、その外をカーボンもしくはグラスファイバー、その外側にスライスしたウッド(もしくは薄いウレタン材とウッドの合板など)、そして最外壁をグラスファイバーで覆っています。たぶんピンホールはこの最外壁にあった穴で、そこからサンドイッチの「具」の部分に浸水したものと思われます。具は、まさしくサンドイッチで言えばハムのように薄いので、片側のパンを一度剥がしてしまわうというような大掛かりな手段を使わない限りは完全に乾燥させることはできません。この場合のパンとは板で言う最外壁のことで、それを大々的に剥がすというのは現実的でないことがわかるでしょう。ただし専門家の見立てによっては、ある特定の部分だけを剥がすことで内部乾燥が可能と判断される可能性もあります。

「具」に多少の浸水があったとしても、それはごく薄い範囲なので大幅な重量増加などの支障はさほど無いでしょう。懸念材料は、サンドイッチ構造の剥離と、浸水した部位の耐久性の低下。もし自分で対処するとしたら、これらの箇所を随時修理していく、という程度のことしか手だてを思いつきません。