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Q:Y.Oさんからの質問 セバーンのリフレックス4の7.0と6.2を使用中ですが、リフレックスシステムと呼ばれるバテンシステムのチューニングがよくわかりません。 |
A:リフレックスシステムは、通常は最後端から均一にかけるバテンテンションを、バックルによって2分割、ドラフトに必要な強いテンションと、リーチに必要な少し緩やかなテンションに分けるセバーン独自のシステムです。
リフレックスシステムでは、リーチから40センチほどのところにバックルがあり、そのバックルの調整によりそれより前(マスト側/写真手前側)のテンションをチューニングします。それより後ろ(リーチ側/写真奥側)のテンションは、通常のセイル同様にバテンエンドを六角レンチでネジってチューニングします。 レースセイルは、ドラフトを固定してセイル面に流れる風の整流効果を高めるために強烈なスキンテンション(パネルにかかるテンション)を必要とし、そのためバテンテンションも強め。しかし強めのバテンテンションは、しなやかに風の強弱に反応して開いたり閉じたりして欲しいリーチにまで強いテンションを与えてしまいます。そこは緩いバテンテンションでしなやかさを保ちたいのに、です。その葛藤を解決する方法としてリフレックスシステムは存在します。 こうした理論的なことを理解すれば、おのずとチューニングにも目安ができると思います。バックルから前は強め、後ろはそこそこ、です。 具体的には、バックルに刻まれた溝の前から3番目から溝にかけない範囲でバテン前部のテンションは完了すると思います。まったく同じセイルであっても、わずかなバテンの長さ違いやバックルにかかるヒモの1ミリ程度の縫い場所の違いで異なることなので「必ずここ」と言い切ることは出来ませんが、おおよそ手順は以下のとおり。 まず、リーチ最後端のテンションを十分に緩めておいて、バックルの前から2番目と3番目の溝の間にヒモをハメてバックルを閉めます。もし「閉めるのに随分固いなぁ(強い力が必要だなぁ)」と感じるなら、たぶんそれはテンション過多なので1番目と2番目の溝の間、さらには溝にかけずに、と試してください。十分に強いテンションがかかることが必要ですが、強すぎるテンションはヒモが切れたりバテンポケットの縫い糸がほつれたりのトラブルになるので注意です。 バックルを閉め終えたらリーチ最後端の六角ビスを締めます。これはエンドの六角ビスを内蔵した黒いパーツからヒモが外れない程度、ただしバックルからリーチまでのバテンポケット上下にシワが無い程度のテンションにしておきましょう。締めようと思えば強く締めることが出来てしまうので手加減してあげることが重要。締め過ぎると結局は他のセイル同様にカムまでのすべてのバテンテンションをリーチ最後端からかけていることになるのでリフレックスシステムの意味を失うだけでなく、バックルから後ろの一回り細いチューブバテンの付け根に強い力が集中して、バテンが折れる原因にもなるので注意です。 |