旧ツイストロック修理法

QY.Nさんからの質問

ニールのカーボンブームのツイストロックに関して。固定時にロック部分にガタが生じるようになりました。過去に同じ質問があったと思うのですが、現在、交換用のパーツがすでに製造中止となっているらしく入手できません。そこで、ツメの先端を少し溶かして潰し、ツメを復活させる方法があると聞いたのですがその方法を詳しく教えてください。

A質問内容から判断するに、質問のツイストロックは今のタイプではなく(それはパーツが別売りされているので)、昔の「ネジるタイプ」のものだと思います。ツメがブームエンド側エクステンションパイプの溝にハマり、その上から覆うパーツをネジってツメをロックすることで長さ調整する写真のタイプのことでしょう。

一部のショップでは、昔のブームから同パーツを取り外して交換してくれるところもあるようですが、すでに対象となる昔のブームも過去のもので、対処不可な場合が多いようです。となると、自力でどうにかしなければなりません。

そこでの唯一の対処方法が、質問にある「ツメを溶かして復活させる」方法となります。しかし溶かすという方法上、失敗のリスクも非常に高く、実際のところそれを行っていた当時でさえ、「溶かして復活できればラッキー」「もし失敗したらパーツを買い替えればいいや」という感じでした。それに比べて質問者は失敗が許されない立場にあるので深刻です。

最もリスクの少ない作業方法は、「はんだゴテ」を使う方法。その際の「はんだゴテ」は通常の先端の丸いタイプではなくて平たいタイプ。金物屋や模型店で入手できるはずです。模型店でのプラモデル用「はんだゴテ」の方が作業がしやすいかもしれません。これを熱しすぎることなく(一気に溶かして失敗しないように)、ツメの後方からツメを押し上げるように押し溶かします。すべてのツメを均等に、細心の注意で。

話は変わりますが、このタイプのツイストロックが装着されたニールのカーボンブームは、たぶんすでに6年以上も経過しているのではないでしょうか。カーボンは経年劣化によって、まだ使用可能と思っていても突然折れたりもします(アルミの場合は徐々にガタが生じるなど前兆を感じやすいですがカーボンの破断は突然の場合が多い)。正直なところ、セイリング中のリスク軽減という意味で、そろそろ買い替え時とも思います。実際のところ当時のブームは径も太いはずで、ブーム長にもよりますが、それよりも今のアルミブームの方が使い勝手が良かったりするかもしれません。