ボードの水抜き

QY.Aさんからの質問

最近、走っていてボードが重いような気がします。ボードが水を吸っているかもしれないと思うのですが、ボードが水を吸っているかどうか見つける方法が分かりません。また、水を吸っていた場合に、どうしたら水を抜いて乾燥させることができるでしょうか。(エアコックを使うのかなと思いましたが、私のボードのはハイウインドで見たボルトのものでなく、黒いプラスチックの栓のようになっていて開け方もわかりません)

Aまず、エアコックの開け方がわからないとどうしようもありません。黒いプラスチックの栓とありますが、どんなものなのでしょうか?写真などいただけるか、もしくはボード名を教えてくれるとわかるのですが。

ボードが水を吸っているかどうかは、一般的にはエアコックを開けて口をつけて吸ってみます。使用しているのが海ならば、塩辛い水が出てくるのでわかりやすいです。しかし水の侵入した(ボードの破損個所)ところがエアコックに近くないときはそれでもわかりません。一番わかるのは実際の重量によってなので、走っていてではなく、実際に手で持ち上げて重くなったと感じるならば水の侵入があったと考えてよいでしょう。

あとは破損個所を発見すること。ひび割れを見つけるということです。もしわからなければ、日の当たる場所で、バケツに洗剤を溶いておいてボードに塗ってみてください。ボードは日に当てると中のフォーム(心材)である発泡スチロール内の空気が膨張するので、ひび割れがあれば、そこに洗剤の泡ができるので発見できると思います。

水を抜いて乾燥させる方法

水の侵入が少ないと思われる場合(重量増加がそれほどでもないとき)

 エアコックから水が出る場合は、日中日向にエアコックを下にして日に当てて放置します。するとボード内部が暖まってエアコックから水が出てくるので、それを数日間、水が出てこなくなるまで繰り返します。スキー場などの乾燥室が使えるとさらにベストだし、室内ならばストーブの前に、ボードが熱くなりすぎない範囲で距離をおいて熱を与えれば同じように水抜きできます。

 水の侵入破損個所がエアコックに近くない場合は、すでに説明した方法で破損個所を発見し、その部分を、心材である発泡スチロールが見えるまでカッターで切り取って穴を開け、やはり日向で乾かします。しかしその場合はリペア方法が難しいので、ショップなどに修理に出した方が賢いでしょう。

水の侵入が多いと思われる場合(重量増加が大きいとき)

 現在のボードは、心材である発泡スチロール-カーボンなどの化学繊維-薄い硬質ウレタン材-カーボンなどの化学繊維、という順番で作られています。すなわち心材である発泡スチロールの上に、硬質ウレタン材を化学繊維でサンドイッチしたものが殻として接着されているということ。そして水の侵入は、発泡スチロールではなく(よく海岸に発泡スチロールが流れ着くけどべちゃべちゃに濡れていないはず。すなわち発泡スチロールはあんまり水を吸わないということ)、それぞれの境目と、主に硬質ウレタン材に染み込みます。そしてそうした隙間に入った水や硬質ウレタン材が吸った水は、小さな穴から乾かそうとしてもなかなか乾燥してくれません。なので水の侵入が多量な場合は、濡れた心材部分を大きめに取り除いて、外気に触れる部分を多くして乾燥させます。もちろんそれがエアコック付近でも同じ。そしてそれは修理が大規模になるということで、知識の無い個人が治すのはほぼ無理と思った方がいいでしょう。