スラスターのサイドフィン

QK.Hさんからの質問

スターボードKODE94リッターをスラスターで使う場合。現在、コンプリートの28センチを24センチに変えてシングルフィンで使っています。それに不満はないのですが、10センチくらいのサイドフィンを付けたとしたら、どう変わるでしょうか。

Aもちろんのことですが私はそれを試した経験がありません。また国内でもっともスターボードに詳しい小林ゆーまプロに聞きましたが、やはりその経験無し。そこで2人で相談してみました。ゆえに以下に記す回答は、あくまで想像の範疇だとご理解の上で読み進めてください。 

サイズダウンしたフィンでも難なく直進性が保てる技量を持ち、さらに通常はフィンサイズを変えようとの発想さえないだろう中で意図して変えていることを考えると、質問者は相当な技量を持ち、さらに相当な知識も持っているのだろうと推測できます。その前提に立って2人で考えてみました。

サイドフィンを加えることでもっとも象徴的に発想出来るのはフロントライドにおけるトップターン。オフザリップではなくリップに当て込んでのローラーコースターのような場面、現在の24センチ1枚だとてテイルが滑るようにスラッシュする場面で、サイドフィンを加えたとしたならグリップが追加されて「スパッ」と板を返しやすくなるだろうと思えます。これを乗り手の意識に置き換えると、今は「後ろ足で蹴りすぎるとテイルが滑りすぎるから探りながらプッシュする」に対して、「もっと過激に思い切り蹴っても大丈夫」との安心感に繋がりそう。それは「様子を伺いならが」のアクションに対して「思い切り良く」の今以上に積極的なアクション。 

サイドフィンのグリップが安心感となり、その安心感に支えられてこれまで以上に大胆にレイルを切り替える。そんな乗り手のパフォーマンスの成長が期待できる可能性が高まりそうに思えます。

ボトムターンにも期待できそうです。 小さなフィンに依存してターンする場合、どうしても「テイルを使ったピボット的なターン」になりがち。しかしサイドフィンのグリップ感が加われば、大胆に深くレイルを入れることが出来るようになるかもしれません(そうした意識へと自然と導かれる道筋が見える)。ボトムターンだけでなく、ジャイブも同じですが、テイルに依存したターンは「クリッ」と回り、レイルに依存したターンは「ギュイン」と回る。もちろん願わくば後者のターンが理想となるわけで、そこに向けて自分を高める足がかりになる可能性がありそうだ、ということです。

サイドフィンを付けると直進性能が高まり回転性能が低下すると思うかもしれません。それは事実ですが、28センチのシングルフィンと24センチにサイドフィンの組み合わせは全く異なります。後者のターンはあくまで24センチのセンターフィン主体。サイドフィンは大胆なアクションのための味付けと解釈するべきでしょう。

サイドフィンを付けたら、それだけですぐに上記のようにターンが変わるという話ではありません。サイドフィンを付けた後に幾度もトライを繰り返して、相応の時間を必要とした練習の上で、乗り手の技術的成長があって初めて実現することです。

サイドフィンを付けるのは良いアイデアだと思います。そしてサイドフィンは、質問者の未来予想図を手元に引き寄せる可能性があるだろう、というのが私たち2人の共通の意見です。サイドフィンを付けて幾度も試して、シングルの方が良いと思ったら外せば良いだけなのだから、試す価値は大いにあると思います。

ちなみに初期設定のサイドフィンのサイズは、スラスターでの一般的それであれば、多少の大小は気にせず(左右のサイズが違ったとしてもそれさえ気にせず)、まずは試してみること。それで自身のターンが成長したなら、その成長にリンクして、自然と自分に必要なサイズが明確に感じ取れるだろうから、最終的にそれを選択することで結論に至ると思います。