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Q:Q.Jさんからの質問 ハーネスを丹田で引くにはどのような練習をすれば良いのでしょうか。板の上に体重が乗った「立ち乗り」からなかなか脱出できません。ハーネスラインの長さもわからず、掛けての引き方もわかりません。走っていて身体の位置が高いせいか、よくラインが外れもします。ハーネスラインの適正な長さやハーネスへの体重の預け方のコツ、さらには効果的な練習方法などあれば教えてください。 |
A:質問内で最も問題と思えるのは、「走っていてラインが外れることがある」というところ。それはハーネスラインが長すぎることの証明と思われます。 ラインが長すぎると、どんなに丹田で引こうと努めても成し得ません。なぜなら丹田で引く以前に腕の長さが限界に達し、けっきょく「手持ち状態」になってしまうから。するとハーネスワークが行えないため、「セイルに乗る」ことができず「板に乗って(棒立ち状態)」になってしまいます。 ラインの長さと腕の長さ(肩からブームを握る手先までの長さ)を単純比較することはできませんが、おおよその目安として、肘から先の長さに等しいと覚えておくと役立つでしょう。ということは、初期設定の目安として、(ハーネスラインの取り付け部の真ん中あたりの)ブームを握ってラインを肘にかけてみて、ちょうどラインが肘にかかるくらいが目安ということ。 もちろんハーネスラインの長さは人それぞれ。プロであっても十人十色で、誰かが「これ」と言っても他の人は首を傾げることがあるほど「これという決まり」はありません。だからこそ難しいとも言えますが、まずは前記した長さを目安にしてしてみましょう。 写真をじっくりと。もちろん乗り手のフォームの違いに影響されるところではあるが、おおよそラインの長さが肘から先の長さに等しいことがわかるだろう。そうしてラインの長さをセットすると、写真のように少し腰が浮いたような状態になる。この腰が浮いた感じは最初のうち、セイルパワーに引っ張られすぎて前に飛ばされそうな感覚として怖さとして映るかもしれない。しかしそのセイルパワーに引っ張られる感覚を、ヘソに力を込めることで「支える」。引っ張るセイルパワーに対抗して「引っぱり返す」のではなく、セイルパワーに「引っ張られすぎないように」セイルを「その場で支え続ける」。それが丹田で引くという意味だ。 そうしてもしプレーニング中に「ハーネスが外れることは無いけど腰が浮き上がった感じで、セイルパワーに引っ張られすぎて前に飛ばされることがある」なら少し短い証なので修正。短すぎるハーネスラインにももちろん問題山積ですが、少なくとも長過ぎるよりは「ハーネスを実感できる」と言う理由でまだマシ。そういう視点から見ても、まずは「長過ぎる」よりも「短かめ」を意識したチューニングが必要と思います。そうして試行錯誤、いろいろと試す中で、両腕から力が抜けてハーネスにパワー集中していると思えるようになったら大成功。 そうした「試し」をするには、いちいちラインの長さを結び直さなければならない、もしくは調整しようにも出来ない長さ固定式のハーネスラインではなく、アジャスタブル・タイプを使うこと。 まずはここまで事を進めてみましょう。丹田で引くとはその先にある行為なのですから。 ハーネスラインの長さがおおよそ正しくなったとしても、たぶんその初期セイルパワーは「腕で6割、ハーネスで4割」支えている程度の感覚と思います。そこから先、やっと丹田の出番となります。 丹田で引くには、「お尻を突き出す」ように「腰を曲げる」のではなく、丹田(ヘソ当たり)を中心に「身体を丸める」感覚。言葉では伝わりにくいと思いますが、ラインの長さがセイルパワーを身体に伝えやすい長さであれば、「ヘソあたりでハーネスフックを引いている」感覚が、なんとなく実感できるようになると思います。 実際に目の前で「こうやって」と見せることができれば簡単なのですが、文章でそれをお伝えしきれないだろうことが「じれったい」ところではありますが、なにはともあれ、まずはラインの長さを再確認及び調整、そこから未来が見えてくることをお試し下さい。その上で、次なるレベルへのステップアップへ向けたさらなる質問をお待ちしています。 |