ジャイブの裏風対処法

QY.Hさんからの質問

アンダーのジャイブは大丈夫なのですが、ジャスト〜オーバー時のジャイブだと、ちょうどランニングを向いたあたりで進行風によるものなのか裏風が入って押し返されてしまいます。特に7.5や8.5など大きなセイル使用時に顕著なのですが技術面のアドバイスをお願いします。

Aその裏風はまさしく進行風です。進行風に押し返されるということは、その瞬間、進行風をセイルの裏側に受ける状態にあるということ。簡単に言えば「セイルが開いているからダメで、そこではもっとセイルを引き込んで」となりますが、それがわかっていてもなかなかできないのが現状でしょう。そこで以下のふたつのことを試してみてください。

ひとつは「重心をもっと低く」。重心が高いと(棒立ちだと)セイルが引き込みにくいだけでなく、わずかに裏風に押されただけでそれにつられて体が後傾します。すると余計に裏風に対処できなくなってしまいます。ではどうすればジャイブ中に棒立ちにならないか?それは(ハイウインドの7月号でも解説しましたが)歩幅が狭いことに起因します。ジャイブでは歩幅が狭ければ無条件に棒立ちに、広ければ無条件に重心が低くなるので、(ハイウインドの解説同様に)ジャイブ侵入時の後ろ足位置を「向こう側の後ろ足ストラップに触れるくらい」意識的に後ろめにポジショニングしてみましょう。

もうひとつが「後ろ手の持つ位置」。ジャイブ中に後ろ手をブームの後ろに持ち替えていますか?持ち替えがないとマストが体に近く、その反動としてセイルの引き込みが(どんなに頑張っても)不十分になりますが、後ろ手を持ち替えるだけで「マストが前に」「セイルが引き込まれ」ます。これはレベル問わず誰にでも共通する必須項目です(上級者も当然、日常やっています)。

ジャイブの解説に関してはあれこれと能書きが多くなるのが常ですが、この2つ「ジャイブ中の歩幅を広く」「後ろ手を後ろに持ち替える」は意識さえすれば明日にでも実行できることなので(難易度が低いから)、まずはこの基本中の基本をしっかり実行した上でしばらく練習してみてください。この2つが完璧なのにそれでも尚、悩みが解消できないようであれば、またご質問ください。