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Q:Tさんからの質問 JPのスラロームとニールのH2 7.2を使っています。そのジャイブセイル返しについて。セイル返し時にマストを持っていると再加速に入りやすいのですが、マストからブームへと持ち替える際にドタバタした感じでせっかくの加速が失われてしまいます。だからとブームtoブームで持ち替えるとさらに戸惑います。雑誌などのマニュアルではブームtoブームを推奨しているので意識して練習しているのですが、余計に上手くいきません。 |
A:ジャイブのセイル返しで最も重要なのは、「セイルの軸をとらえる」ということ。セイルの回転軸を正しく認識できればセイルはクルッと軽く返り、回転軸がズレてしまうとセイルがとても重く感じて、特にブームエンド側に振り回されるようにして失敗が誘発されます。質問者の場合、たぶん一旦マストを掴むやり方だと回転軸を正しくセイル返しできるのでしょう。対してブームtoブームだと回転軸がズレてしまうために失敗しやすいのだと思われます。 マニュアルに固執しすぎはイケません。マニュアルはあくまでマニュアル。ケースバイケースまでは網羅していません。特にブームtoブームのジャイブセイル返しは、より素早くジャイブを完了させたいレーサーには必須のマニュアルだとしても、フリーライダーにはさほど重要ではありません。実際のところ私もブームtoブームのときもありますが、多くは一度マストに手を添えます。それでもまぁまぁ素早いジャイブができています。 それよりも大切なのは、セイルという道具がどうしたらスムーズに回転するか?を理解すること。回転軸さえとらえていれば、ブームtoブームだろうがマストに一度手を添えようがセイルがキレイに回転してくれるはず。手の運びはあくまで途中経過でしかなく、セイルの回転を「どう導くか」に論点を置くことです。 本栖湖のようなフラットコンディションならその導きは簡単かもしれません。でもチョッピーなコンディションの海であるなら、セイルを返そうとしたその瞬間に板がチョップに弾かれてバランスを崩すことがあるかもしれません。それでもなおセイルの軸をズラさずにセイルを回転させるには、ときとしてブームtoブームかもしれないし、ときとしてマストをしっかりと一度握ることかもしれないし、もしくは瞬間マストに手を添えることかもしれませんが、いずれにしても臨機応変さがカギ。 セイルの回転軸をとらえるのに最も適したコンディションは微風です。さらには、大きめの板に小さめのセイルを使う時。なので練習方法のひとつとして、もし質問者が5.0台のセイルを持っているとしたなら、微風時にあえてその小さなサイズのセイルで練習することをお勧めします。 その練習は、まずは写真のようにしっかりとクリューファーストまで板と回します。そこから(手の運びに固執せず)セイルを「いかにクルッと返せるか?」を意識して回転させます。 上手く行ったときは、たぶん途中両手ともにブームを一旦離して(セイルを投げ出すような感じで)反対側のブームを掴むことができるかもしれません。もちろんブームtoブームかもしれないし、ちょっとバランスが崩れそうと思ったら自然とマストを掴むことがあるかもしれません。そうしたさまざまな動作を繰り返して適応能力を高めることこそが重要。その中から「セイルという道具の動きを正しくサポートするために自分の動作がある」という理解が深まれば、たぶんジャイブのスキルアップ確定です。 |
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