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Q:Y.Nさんからの質問 ウェイブの乗りこなし方を教えてください。普段はスラロームを楽しんでいて、強風時に85リッターのフリーウェイブに乗り換えるのですが、スピンアウトなどでコントロール不能になることが多くて楽しめません。ブーム高め、アウト緩め、ストラップは後ろで外寄り、セイルの引き込みが強いというスラローム乗りが災いしているのでしょうか。 |
A:スラローム乗りとウェイブ乗りには違いがあります。最も大きな違いは、スラロームはセイルに「風を受けて」走るのに対して、ウェイブはセイルに「風を当てて」走るということでしょう。 スラロームでセイルに風を受けて走る時、体は大きく風上側に倒れ、セイルを強く引き込みます。それがやりやすいようにサポートするのが、質問内にあるブーム高めなどのチューニング。しかしこれだと後ろ足で強く踏ん張るためテイルには横滑りの力が強くかかり、それがテイル及びフィンのグリップが弱いウェイブ系の板をすぐにスピンアウトさせるなどしてしまいます。 対してセイルに風を当てるウェイブ乗りではセイルをそれほど引き込みません。スラロームで言えば、フルスピードではなくスピード70%で軽く流している感じ。このとき体はフルスピード時よりも板の上に立ち上がったような状態で、セイルも開き気味。すなわち板に立って、セイルを軽く支えている状況。 スラロームの、「風を受ける」セイルの引き込みが強い乗り方は、マスト加重が強くノーズを抑え込みます。ノーズが暴れないようにするためスラロームではそれが効果的ですが、ウェイブではノーズが前のめりになりやすく、波を超えにくく、突っ込んで派手に前に飛ばされるといった現象も起こりやすくなります。対して「風を当てる」セイルを開いた乗り方なら、(スラロームでそれをやるとマスト加重が減少してノーズが舞い上がりやすくなることからもわかるように)無条件にノーズを上げて走るため波越えが楽になります。 また、体の倒れ度合いが少なくなるため後ろ足の蹴り出しプレッシャーが弱く、スピンアウトしにくくなるというのもあります。(熟練すればスラロームのように引き込んでも後ろ足コントロールでスピンアウト回避など容易くできるようになるが、最初からそれは難しい) ウェイブ乗りを一生懸命に心がけても、ブローを受けたら無意識にセイルを強く引き込んでしまうかもしれません。それを矯正するには、道具のチューニングの力を借りるのが早道でしょう。その方法は、 1)いつもよりブームを5cm低く。これで否応なく引き込みにくくなります。 2)アウトをいつもより2cm引く。これでバックハンドパワーが減少してさらに引き込みにくくなります。引き込みすぎるとセイルから「スカっ」とパワーが抜けてしまうので、セイルを開き気味に乗らざるを得なくなります。 3)ハーネスラインをいつもより1.5cm前に。アウトを引いたことによってパワーポイントが前に移動したのに合わせると同時に、引き込み過ぎを抑えるための位置調整。 まずはこれで少し練習してみてください。あくまで「セイルに乗って」板をコントロールするのではなく、「板に乗って」セイルを支える感覚を大切に。 尚、ストラップ位置に関しては後ろでも問題無いと思いますが、もしそれが取り付け位置の一番後ろだとしたら、穴ひとつ分だけ前にした方がテイルの蹴り出しが少なくなって、より乗りやすくなる可能性があります。 |
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