A：ワイドスリーブのレースセイル、特にサイズが大きいほどウォーターが難しくなるのは仕方ないことです。

セイルが完全に水没してからウォーターするのはとても難易度が高いので、まずは完全に水没させないこと。自分は沈んでも両腕を伸ばして、それがクリューファーストであろうとどのような体勢であろうと、セイルだけは水面上を確保するように努めることが第1です。これはジャイブ後半での失敗などあらゆる場面で努める事柄。沈するときは、コケながらもセイルの位置を調整して（コケながらセイルを返して反対側のブームを掴むことさえあります）セイルを保てるように努めます。

とは言っても、そうそう上手にできるというものでもなく、完全に水没することも多いでしょう。こうしたときはセイルアップの方が早く、プロも含めてウォーターで復帰することは滅多にありません。

それでも尚トレーニングとしてウォーターを練習するのであれば、セイルトップから徐々にセイルを上げるしかありません。

セイルトップまで泳ぎ、まずはトップを水面から上げる。そのまま立ち泳ぎをしてスリーブ伝いに徐々にセイルを水面上に（その間にスリーブ内の水は流れ落ちます）。そしてブームまで辿り着いたら、ジャイブ後にカムを返す動作と同じにパンプをひとつしてカムを上向きに返し、それからウォーター、という手順。もちろんその最中はセイルの向きを風に対して的確にし続け、セイル下面に風を受け続けることが条件なので、そうした意味でも普通のウォーターとは比較できないほど難しいと言えるでしょう。