A：ブローが長く続かない場合、わずかな対応の遅れが加速を失わせてしまいます。それでも尚ブローを最大限有効に活用するには、1）ブローを目視し、事前に準備をする。2）ブロー到達と同時に加速のためのアクション（パンピングを含む）をおこす、ことが重要です。

まずはブローを確認する能力が無ければなりません。これは常日頃の鍛錬からのみ身に付きます。とにかく風を見続けること。最初はわかりずらくても見続けることでいつしかブローが読めるようになります。ただし完璧に「風が読める」ようになるには、数年の経験を要するでしょう。

ブローが読めるなら、それに合わせて事前に準備します。この準備とは、まず第1に、加速しやすいように少しボードをベアさせておくこと。ラフしてたら加速できず、またブローを受けてからベアしたらその分だけ無駄にブローを消費してしまうので、ブローの強さに的確に合わせて事前にノーズの方向を修正しておくことです。また第2に、前足をストラップに入れておくことも重要です。プレーニングはもちろんのこと、パンピングするにしても前足がストラップに入っていることが絶対必要。ブローを受けてからストラップに入れるようではその隙にブローは過ぎ去ってしまうからです。こうしてブローの到達を（目視して）待ち受けます。

ブローに十分な強さがあるならパンピングは必要ないでしょう。準備さえ整っていれば、ブローを受けたセイルをグッと引き寄せてハーネスをかけるだけですでに走り出しているはず。しかしブローに十分な強さが無い場合はパンピングが必須となります。その方法については、バックナンバー「スラロームパンピング」を参考にしてください。内容はスラロームですが、フリースタイルでもその基本に違いはありません。ただし、フリースタイルの場合は「解説よりも小ぶりなアクションで」行ってください。フィンのグリップが少ないフリースタイルボード（ウェイブも含めて）では、大袈裟なパンピングアクションがノーズを左右に大ブレさせて逆効果を招く場合があるからです。