|
|
Q:M.Oさんからの質問 06年モデルのAB+スラローム106リッターとRS5 7.2でスラロームを楽しんでいますが、セイルをカイトして乗っているのでは?と疑念を抱いています。そう思う原因は、1)セイルのフットがボードの中心線まできている、2)周りと比較してスピードが出ていない気がする、です。そこで、カイトセイリングになっているかどうかの判断基準があれば教えてください。またカイトしていると考えられる場合の解消方法について教えてください。 |
A:まず1)は、まったく問題ありません。むしろセイルがしっかり引き込めているという証明だと思います。2)は、原因がカイトセイリングにあるのかどうかわかりませんが、質問者本人にそうした意識があるのならば、セイルがカイトしている可能性は有り得ます。 質問にお答えする前に、まずはカイトセイリングについて確認しておきましょう。カイトセイリングとは、セイルが風上に「寝ている」状態のことと勘違いされがちですが、正しくは「マストが寝た」状態のこと。セイル全体が風上に倒れていても、その状態の中で(マストが立って)セイルが十分に引き込めていれば、それはカイトではありません。実際、例えば「セイルに乗って」ボードから体重を抜くアンダー時は、セイルは全体的に少し寝ます。もしセイルがボードと垂直まで起きていたら、セイル面に対して垂直に発生する揚力は水平に向きます。対してセイルが寝ていれば揚力は斜め上向きになり、この上向きの揚力が体を浮き上がらせてボードから体重を抜いてくれるのです。だからアンダーではセイルを少し寝かせて斜め上向きの揚力を作り出し、逆にオーバーではセイルをなるべく垂直に立てて上向きの揚力を減少させて水平向きの揚力だけにします。オーバーで上向き揚力があるとそれに引っ張られてボードも体も浮き上がり、大暴れするボードを抑えられなくなるからです。 話を戻しましょう。セイルが寝ていてもそれはカイトでは無く、カイトとはマストが不必要に寝てセイルが開いている状態のこと。質問者の場合、フットがボード中心線まできているとのことなので、セイルは閉じられていると考えられます。ということは、カイトセイリングでは無いと推測できると思います。 しかし実際にスピードが伸びていないようなので、カイトセイリングほどではないにしても、マストが(ブームエンド位置と相対的に)少し寝ているのかもしれません。そこで、試しにマストを立てる動作を試みてはいかがでしょうか。その方法は2つ。 ひとつは、ブームを握る前の手をコブシ半分だけ後ろを持つようにすること。これだけでマストが今より立ちます。ただしこれを試して前の腕が異常に疲労するようなら、それはブームの後ろを持ち過ぎの証拠なので、前腕がリラックスしてブームを握り続けられるギリギリ後ろの握り位置を探ってみてください。 もうひとつはストラップに入った後ろ足。クローズ気味なのかアビームなのか走る向きにもよりますが、マストが寝る原因として、胸がノーズ方向に開いているというのがあります。セイルは胸と「正対」するので、胸が進行方向に開いているとセイルも開いてしまいます。これを解消するには、胸が横を向いた「横乗り」を完成させる必要があります。そのためには、後ろ足を今よりも浅くストラップに入れて少しレイル側に近づけます。同時につま先を今よりも少しだけ後ろに向ける意識を持ちます。これで胸がボード中心線と平行に近づいた横乗り状態が作りやすくなります。体が横乗りになるほど前肩が押し出され、結果としてマストが今より立ちやすくなるのです。 言葉だけでお伝えするのは難しいところもありますが、上記したことを試して、もし質問者にジャストミートする項目があったとしたら、驚くほどのスピードの伸びが手に入れられるはずです。 |
|