ラフ癖(技術面)

QKさんからの質問

05年JP SLALOM94とGAASTRA NITRO6.6を使っているのですが、ガスティーなとき、特に風が抜けたときにラフする癖があり悩んでいます。ジョイントを一番前にするなどチューニングしても、多少改善されてもやはりラフ癖は治りません。

Aそうしたラフ癖は、そのボード特有のものとは言えないでしょう。JPが特別にラフ癖が強くて乗りにくいとの印象は無いので、質問の文面だけから判断すると、やはり技術的な問題に思います。

ジャスト〜オーバーでは大丈夫なようなので、なぜ風が抜けたときやガスティー時にラフするのか、その原因について考えてみると、それは後ろ足プレッシャーの強さと、セイル位置にあると思われます。

風が抜けた瞬間など、後ろ足プレッシャーがそれまでのまま(ガッチリ走ってたときのまま)だと、当然ボードテイルには過剰なプレッシャーが与えられてラフします。それを解消するには、風が抜けたから対処するのではなく、風を視覚的に判断して、風が抜ける直前に対処しておくことが必要。具体的には後ろ足膝をそれまでより曲げ気味にして(膝が伸びるほど横向きプレッシャーが強まってラフするから)、また、それまでよりも体を起こし気味にして(体が倒れているほど横向きプレッシャーが強まってラフするから)、風の切れ目を迎え撃ちます。ガスティーなときなどは特に、風の変化に事前にタイミング良く対処できるかどうかが、ラフなどを抑え、直進を促進し、スラロームのスピードを持続する非常に重要な要素なのです。

また、それまで十分にプレーニングしていて急に風が抜けた瞬間、体が風上に倒れようとすることにつられてセイルのアフターレイキが自然と強まるという現象も理解しておくべきかもしれません。もちろんアフターレイキが強まればラフするし、そもそもアンダー時はジャスト〜オーバー時よりもアフターレイキが弱めであるべきなのだから、これではラフして当たり前。これを解消するためには、やはり前述の事前の対処によって体を起こすことで、アフターレイキを事前に弱めておく必要があります。体を起こせばそれに伴って自然とアフターレイキは弱まるので、ここで特別な意識は必要ありませんが、あえて意識的なことを言うなら、ジャストセイルでの走行時よりもよりマストを立てる意識を持つこと、と言えるでしょう。

事前の対処によりテイルへのプレッシャーを的確にコントロールでき、またアフターレイキの度合いをコントロールできれば、無理してジョイントを一番前にすることなくラフ癖が解消できるはずです。決して簡単な技術ではないかもしれませんが、質問者の使用道具が本格派スラロームということを考えれば、これはスピードアップの必須テクなので、繰り返しの練習によって確実に身につけておくべき技術だと言えるかもしれません。