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Q:T.Kさんからの質問 ウインドを初めて2年が経過し、やっと両足を入れてプレーニングができるようになりました。しかし、よく前に飛ばされます。ボードも幾度か破損してしまいました。そこで、どうすれば前に飛ばされないで済むのか、その練習方法などあれば教えてください。当方、49歳、166cm、49kgです。 |
A:前に飛ばされる原因は、フルプレーニング中にフィンにゴミが引っかかったなどの原因を除けば、その原因の大部分はセイルパワーを支えきれないことにあります。その解消法法として一番に挙げられるのは、セイルを開いてセイルパワーを逃がしてやることだと言えるでしょう。 しかし実際には、たとえば突然のブローに瞬時に対応してセイルを開くのは無理。「あっ」と気づいた時には解き既に遅く前に飛ばされてしまうのが通例です。ではどうすれば良いのか?その方法は大きく2つあると思います。 ひとつは後ろ足が軸足にできるように練習すること。両足がやっとストラップに入るようになった当初は、多くの場合、前足に力がかかっています。すなわち後ろ足は単に後ろのストラップに入っている(その位置にある)だけで、体を支える軸足は前足だという状況。そして軸足が前足だと、急なセイルパワーの増加に踏ん張りきれません。しかし軸足が後ろ足なら踏ん張れます。 とは言え、後ろ足を軸足にするのはそう簡単なことではありません。後ろ足に意識して、たとえば後ろ足に体重を載せると、きっと最初はボードがラフしてしまうでしょう。ここに一番の難しさがあります。 ボードがラフする原因は、後ろ足でボードテイルを蹴ってしまうことと、後ろ足に体重を載せる際に、セイルのアフターレイキが強まってしまうことにあります。そこで、後ろ足の膝を十分に曲げてやること、それとセイルをなるべくそれまでと同じ位置に保つことを意識して練習してみてください。数日の練習でマスターできるわけではありませんが、これらを意識して練習することで徐々に後ろ足が軸足にできれば、それに比例して前に飛ばされる回数が減少するはずです。 もうひとつは、ボードがベア状態にあると前に飛ばされやすいということ。ベア状態とは、セイルが開いてもセイルから風が逃げにくい状態なので、飛ばされやすくなります。しかし少しラフ状態(アビームか、それよりわずかにクローズ向き)にあるだけで、わずかにセイルを開くだけでパワーが逃げて飛ばされずに済みます。すなわち、ボードがベア状態(クォーターなどの風下に帆走する状態)で急なブローを受けないように注意すれば、それだけ前に飛ばされる回数が減少するということです。 そのためには風が理解できなければなりません。ブームから伝わる触覚だけで風の強さや変化を知るのではなく、風上の海面を見ることで視覚的に風の強弱変化を判断し、「強いブローが来るぞ!」と思ったら一足早くボードを少しラフ状態にコントロールしておいてやるということ。またそのためには、今自分が風に対してどの向きを向いているのかを正確に知っていることも重要です。そしてこの練習もまた、数日で身に付くほど簡単ではありません。常日頃から海面を見る癖をつけ、最初はまったくわからないけれども、どうにか風を理解してブローを見極められるようになろうと努力して、また絶えず自分が向いている向きを認識しようと努力することで、徐々に視覚的判断ができるようになります。 どちらもすぐにできることではありませんが、毎回海に行くごとに身につけようとすることで、わずかづつではあっても前に飛ばされる回数が減少するはず。失敗に気を落とすこと無く、少しずつ上手になってやるぞ!という気持ちで頑張ってください。 |
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