ハイジャンプ改訂版

QH.Sさんからの質問

高いジャンプをしてみたいのですが、具体的にどのようにすれば良いのかわかりません。

A低空でもジャンプができる人がハイジャンプにトライする場合、まずは「関節を伸ばさない」ことに注意すべきでしょう。肘、腰、膝を絶対に伸ばさないということです。

ハイジャンプでは、「セイルに乗る」ことが大切。セイルに乗れずにボードに体重が乗っていると、ボードは高く飛び上がってくれません。肘、腰、膝が伸びると、セイルに乗れずにボードに体重がかかってしまうため、空高く舞い上がれないのです。

肘がのびると、体とセイルの間隔が開いて、体重をセイルに預けることができなくなります。腰が伸びると、セイルと体は高く上がろうとしても、ボードがその動きにリンクせず、ボードだけを低空に置き去りにしてしまいます。また、膝が伸びても同じ。ボードだけを低空に置き去りにします。

関節を伸ばさない、ということは、セイリング中よりも体をコンパクトにするということと同意語です。体をコンパクトにすることで、セイルとボードを近づけて(コンパクトに)まとめ、セイルも体もボードも一体となるからこそ、セイルの揚力をダイレクトにジャンプの高さに変換できるのです。

肘を曲げてセイルと体を近く、腰を曲げ、後ろの踵をお尻にぶつけるくらい膝を曲げる。こうして体をコンパクトにすることでボードはさらに高く飛び上がり、しかもボードは空中で不安定に向きを変えることもなく真っ直ぐに飛んでくれる。

また、波からの脱出角度も大切です。ジャンプでは、ラフして飛べばそれだけ(バックループのように)ノーズが上を向くし、もしアビームよりもベアして飛べば(フォワードループがそうであるように)ノーズは下を向きます。

ハイジャンプでは、少しラフ気味にフェイスから飛び出すのが良いでしょう。極端すぎず、少しだけラフする感じ。そうすることでノーズが適度に空を向き、高さが稼げます。ラフするほどにノーズが上を向くので、高さだけを目指すなら少しラフを強く、高さと距離を稼ぎたいなら、わずかにラフさせる程度にコントロールします。

そうして空高く飛び出せたら、あとはテイクオフの姿勢を保つこと。特に関節を曲げ続けることと、セイルを開かないことです。空中で関節が伸びるとジャンプはそこで止まり、セイルを開くと空中でラフし始めるので注意。

さらに付け加えるなら、空中でもう一度セイルを強く引き込んでやれば、そこからさらにジャンプが高く伸びます。また、高く飛びすぎて着水に不安を覚えたなら、意識して少しだけ関節を伸ばせば落下し始めます。さらに、もし空中でベアし始めてノーズが下がり始めたと感じたら、セイルを開いてやれば(ラフするので)ノーズの下がり具合をコントロールしやすくなります。