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Q:Tさんからの質問 ジャイブの前傾姿勢がなかなかできずに悩んでいます。26年前にウインドを始めて4、5年はコースレースに熱中していましたが、就職、結婚などによりその後15年くらいは年2、3回程度のセイリングしかできませんでした。しかし生活も落ち着いたので一念発起して、5年前からショートボードに乗り始めたのですが、以前のロングボードのフレアジャイブ(テイルジャイブ)の癖が抜けず、なかなか前傾姿勢ができないようなのです。何か改善策などないでしょうか。 |
A:ジャイブの前傾姿勢の改善方法は、乗り手のレベルや癖、使用道具など、さまざまな要因によって多種多様な方法が考えられますが、その中から質問者に関連するだろうと思えるところをピックアップして解説してみましょう。写真はジャイブを2方向から撮ったものです。(片やスラローム、片やウェイブですが基本は同じです)フレアジャイブの癖が抜けないという質問者に合致するだろう改善点は赤、青、緑の矢印で示した3つのポイントでしょう。 ひとつめは緑の矢印、ストラップに入った前足です。前傾姿勢を作るには、後ろ足で加重、前足で抜重することが大切ですが、ここで前足のカカトがべったりとデッキに触れて力がかかっていると、前足の抜重ができず、結果、後ろ足加重だけになって後傾してしまいます。ここでいう前足の抜重とは、ストラップの中でカカトを上げるようにして、足の甲でストラップを持ち上げるようにする行為なのですが、テイルに重心を載せるフレアジャイブでは、それとは逆に前足はデッキに力強く接していることが多いのです。なので「前足のカカトを上げる」ことを意識です。 2つめは青の矢印。(ジャイブアプローチ時点で/ハーネスを外す前後のタイミングで)ブームを握る手幅を広げて、(ジャイブに入ったら)肘を左右に突き出すようになるべく曲げます。こうすることでブームに近く胸を寄せ、後傾するのを防ぐことが必要なのですが、重心をテイルに載せるフレアジャイブでは、それとは逆に両肘を伸ばすようにしてブームと胸を遠ざけます。ここにも両者に大きな違いがあります。 3つめは赤の矢印の、ヒザと腰。ヒザと腰を深く曲げるのは、レイルジャイブ成功の基本中の基本。特に前ヒザはこれ以上は無理と思えるほど深く曲げる意識を持つ必要があります。また、このとき腰が真正面(ノーズ方向)を向かないようにも注意です。上半身がノーズに向いてしまうと、自然とヒザも腰も伸びてしまうので、腰がなるべく横を向き続けるように(俗に言う横乗り状態を保つ感じ)意識してください。そのためにはヒザを、回転軸の内側に向けるように曲げるのが効果的です。 前ヒザを曲げるためには、前足のカカトが上がっていることが必要です。逆に前足のカカトを上げるには、前ヒザが伸びていたらできません。また、両肘を曲げるには、腰が曲がってなければできないし、両肘が伸びればその分だけ腰も伸びて重心が高く、後ろになってしまいます。このように、ここに挙げた3つの要素はそれぞれが密接に関わっているので、3つを別々ではなく同時進行で練習する必要があります。全てが完璧にならなくても、それぞれがわずかずつ改善されるだけで、徐々に前傾姿勢が完成に近づくでしょう。 |
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