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Q:Aさんからの質問 先日、ウェイブボード(94L)に初めて乗ったのですが、ウォータースタートでボードに乗るとすぐにラフして失敗。ベア気味にすると風に飛ばされ、散々でした。普段は105リッターのスラロームに乗っていてそれなりに自信があったのですが、ウェイブボードの強風時におけるウォーターのコツを教えてください。当方、体重82kg、身長182cmです。 |
A:ウェイブボードだから特別なコツがある、ということはありません。体重82kgと大柄とは言え、ボードが94リッターとウェイブとしてはかなりの大きめサイズなので、たぶん105リッターのスラロームボードとさほど変わらず出来るはず。ただ、ウネリと風向きの関係が普段と少しだけ違ったり、ウネリでチャプチャプしてボードの向きが変わりやすかったりしただけで(ボードの向きを正しく保ちにくい)失敗するのはよくあることなので、当日のコンディションに翻弄されたのかもしれません。 だとしたらその理由は、風向きと、道具の向き(マストトップの向きやボードの向き)を見失ったことにあります。自分では少しだけ風下に向けているつもりなのに実は大幅に風下を向いていて、体が浮き上がった途端に前に飛ばされたり、逆に想像以上にボードが風上を向いていて、起き上がった途端に激しくラフしたりしたのかも。そうならずに、普段と同じようにウォーターを成功させるには、視野を広く、視界に入る陸地などを参考に、風向きと道具の向き、自分が起き上がる方向を把握して、正しく動作することです。 技術的なことがあるとするなら、ウェイブの方がボードがクルクル回りやすい、またフィンが小さい分だけラフしやすいために、それに対応できるだけの正確なテクニックがまだ不足気味だということでしょう。だとしたら、注意すべきは「前ヒジをしっかりと伸ばして、ブームの下から潜り込むように上がる」こと。もちろん体が水面から出るほど(上がるほど)前ヒジは曲がってきますが、完璧にボード上に立ち上がるまでは、ブームの下に体を維持することを心がけましょう。 前ヒジの伸びが中途半端で前ヒジに力が入っていると、体がブームの外から(体がボードから遠い位置で)上がることになります。だから後ろ足でボードを蹴ってしまうのです。そのとき、グリップ力の強いスラロームならラフせずにネバってくれても、回転性の鋭いウェイブはすぐにラフします。よく「後ろ足でボードを引き寄せながら」とテクニック解説されますが、上がるときの体の位置が悪いと、どんなに後ろ足を引き寄せようとしてもボードを蹴ります。ボードを蹴ってラフしないように上がるには、ボードに近いところから上がることが必要で、そのための注意点が「ブームの下に潜り込むように」ということなのです。 この場合、体はずっとブームの下で、重心を低く保ち続けることができるというメリットもあります。上がった途端に前に飛ばされるというのは、前足を突っ張って踏ん張ることで対処するのではなく、重心を低く保って対処しなければならないのですから、この注意動作によって重心が低く保てていれば、前に飛ばされることも少なくなるハズです。 このときセイルが受ける風の調節は、後ろの手で行います。後ろ手のヒジを伸ばしたり曲げたりで、風を受けたり逃がしたりします。そしてオーバーのときは、ブームにぶら下がり続けるようにして重心を低く保ちながら、この後ろ手の風調節によってセイルを開いて余剰な風を逃がして対処するのです。 ただし、非常にオーバーセイルのときは、前ヒジを完全に伸ばすとそれだけでセイルが起きすぎて(風を受けすぎて)しまうので、前ヒジの曲げ具合を調節して対処します。その曲げ具合は、幾度もの失敗を繰り返す中の経験から掴むしかありません。 |
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