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Q:T.Mさんからの質問 最近やっとボトムターン〜トップターンができるようになり、時として調子にのってリップを狙うなどして派手に巻かれることが多くなりました。そうして派手に巻かれると、どっちが上だかわからなくなったり、息が続かなくなってパニック一歩手前に陥ることも多々あります。そこで、上手な巻かれ方ってあるのでしょうか?よく「マストを掴んで離さない」などと専門誌に書いてありますが、実際のところ激巻かれするとそれはとても難しいです。 |
A:たしかに「マストを掴んで」というのは大切な行為です。マストトップが波側で(ボードが岸側)マストトップを掴んで、波が来たらマストトップと体を沈めるようにすれば派手に巻かれずに波をクリアしやすいのも事実です。 しかし実際には、そうした要領の良い向きで沈するとは限らないし、沈した瞬間にマストトップを持つ間もなくボードが流れて行ってしまうこともあります。またたとえマストを掴んだにしても、無理をするとアジャスタブルセイルトップのベルト部に手を挟んだり、ブームエンドに手が挟まったりした状態で巻かれることで肩を脱臼するなんてことも有り得るので、そうした危険な状況では意識的に手を離してボードを流してしまうこともあります。もちろんこの場合は掴まるものを失うわけですから、身ひとつで巻かれ、泳がなければなりません。 波の中を流したボードまで泳いだり、岸まで泳ぎ着かなければならない場合に最も注意すべきはパニックです。大切なのはとにかく冷静でいること。そこでまずは、巻かれたときの対処法について触れておきましょう。 まず最初に、巻かれて体が海中で回転すると上下がわからなくなります。この場合、よく「明るい方に泳く」と言われます。明るい方が海面だということですね。しかしさほど深くない場所では、全面が明るいので海面がどっちなのかを認識するのが厄介。そこで私は、しばらく慌てずに大人しくしています。するとハーネスなどの浮力で体が浮き上がろうとするのですぐに海面方向を認識できるというわけです。海面がどっちなのか認識できたら、あとは泳いで浮き上がります。 そうして海面に顔を出しても、すぐに次の波が迫ってきます。小さな波ならばさほど問題ではありませんが、再び巻かれてしまうようなサイズの波であるなら、巻かれないために自ら潜らなければなりません。サーフィンでドルフィンするように潜れば巻かれずに済むということです。その場合は、慌てて岸に向けて泳ぎ出すのではなく、次に来る波を認識して、必要ならば波に向けて泳ぎ、そして潜る。そうして次の波もクリアできれば、その次の波まで少しの時間的余裕ができます。その間に冷静さを取り戻し、流れた道具の位置や岸までの距離などをチェックしながら岸に向けて泳ぎます。あとはそれの繰り返し。 しかしいずれにしてもこうした行動をするには、それなりに泳ぎに自信があることが必要でしょう。かく言う私も昔は泳ぎが不得意で、平泳ぎで25mくらいが限度でした。なのでクロールの練習やボディーサーフィンの練習をしました。これらもまたウェイブを楽しむ上でのトレーニングだと言えます。クロールはプールで行うようなものではなく、後ろから覆い被さる波を観察できるようになるべく顔を出して泳げるように、ボディーサーフィンは体力を使わずに岸に戻るためのもの。ちなみにボディーサーフィンは、波がきたらクロールで泳ぎ、波が追いついたら両腕を体の横につけて胸を反らすようにして両足だけバタ足します。これで上手く波に乗れれば顔が波から出た状態で波に乗れるし(本当に上手く乗れるとボードよりも先に岸にたどり着ける!)、もし失敗して巻かれそうになったら体を丸めればクリアできます。 |
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