トップスピードを引き上げる

QK.Sさんからの質問

287センチ140リッターのフリーライドと268センチ90リッターのスラロームボードを持っているのですが、風速10m/sくらいのコンディションでセイルは同じ6.0を使ったとき、プレーニング時のトップスピードがどちらも変わらない気がします。もっと速いスピードを体感してみたいのですが、こんなものなのでしょうか?

A普通に考えれば、トップスピードは268のスラロームボードの方が速いはずです。しかし体感スピードが同じくらいということなので、そこには2つのパターンが考えられると思います。

ひとつはそのコンディションが、287のフリーライドだとトップスピードが得られるけど、268のスラロームだとトップスピードを得るには若干足りない場合。これならばどちらも同じくらいのスピードであっても不思議はありません。この場合、より限界のスピードを求めるならば、言うまでもなくより吹いた中で268を使用することです。

もうひとつ考えられるのがテクニック的な問題。自分の持つトップスピードに限界があるために、どれに乗ってもそのスピード以上のポテンシャルが引き出せない場合です。これはボードを水面に押しつけるような乗り方をしていると起こり得る現象です。

スピードの限界を乗り越えるには、ボードをもっと水面から浮かせる乗り方をする必要があります。水面とボトム面との摩擦抵抗を最小限にすればスピードが出ますよ、ということです。そのためには、第一にセイルをもっと完璧に引き込めるようになること、それとボードをより安定させるボードトリムが必要になります。

セイルをもっと完璧に引き込むには、今以上にマストを立てる動作が必要でしょう。これはバックナンバーのオーバーセイル乗りこなしで解説している内容とほぼ同じなのでそちらを参照してください。

またボードトリムについては、ボトム面が水面と絶えず水平であるようにキープすることです。一般的にはスピードが出るほどボードがローリング(左右にバタバタ)してしまい、せっかくスピードに乗りかけてもそのローリングがスピードを食い潰して速さを失います。そうならないためには、膝を絞めるようにして、また足首でボードをしっかりと水平にし続ける意識が必要。膝がだらしないとボードはバタバタと暴れてしまうし、足首がだらしないとやはりボードが安定せず、また風上レイルが少し沈んだアンヒールの状態にも陥りやすくなってしまいます。ボードが水平であるかどうかの確認は視覚で容易に判断できますが、実際にボードが水平であるときは、少し風上レイルが持ち上がっている感覚であるということも覚えておくと良いでしょう。