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Q:T.Yさんからの質問 ジャイブ中のマスト手について。プレーニングからジャイブに入る際、ハーネスラインを外したときに失速しないようにマスト手でマスト加重させて(ジョイントを押し込んで)いますが、それはフォアレイキ〜回転中も維持するのでしょうか?本などには「回転の外側にマスト手を押し出す」という表現があり、どういう状態であればいいのかよくわかりません。 |
A:マスト加重とは、重心を低く、肘を伸ばさないことでマスト手に「少し下に抑えつける」力を与えることです。これはジャイブにおいて、アプローチからセイルを返して走り出すまで絶えず必要な力です。なので質問者の「マスト加重させて」という意識は非常に良いと思います。 写真を見ながら解説してみましょう。写真のマスト加重の状況とマストの位置変化に注目してください。左右に並んだ左側の写真では、風は画面の奥から手前に向けて吹いています。また右の列の写真はそれを上から見たときのイメージ。風は画面の上から下に向けて吹いています。また、矢印がボードの向きを、赤がマストとセイルを、黒丸が頭の位置を示しています。 |
1)アプローチ。セイルは引き込まれて前の肘が曲がってマスト加重。 |
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2)ランニングに向く直前。相変わらず前肘を曲げてマスト加重。ただしマストは青矢印の向きに少し移動します。 |
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3)頭の位置を低く、肘を曲げてマスト加重しつつも、セイルを開きながら、マストはさらにターンの(弧の)外側に移動してます。 |
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4)マスト位置がターンの外側に向けて移動したのがわかるでしょう。これを行うのが「マスト手を外側に押し出す」動作です。でも相変わらず重心は低く、マスト加重は失われていません。 |
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上の写真では少しわかりやすく動作を行っています。特に4の写真では右腕が伸びているのがわかると思います。すなわち「マスト手を外側に押し出している」わけです。そうすることで、最初はターンの弧の内側に倒れていたマストは、ターンが進むにつれて体を中心に(体と位置を入れ替えるような感じで)、最終的にターンの弧の外側に移動します。そしてここからセイルを返す動作が始まります。 ジャイブで悩んでいるなら、まずは写真を参考にボードの向きが変わるに従ってマストがどのように移動するのかをイメージしましょう。またそのときの体の位置とセイルの開き加減もイメージできれば完璧です。 マスト加重はそれらの動きとは別に、肘を曲げて重心を低くすることで、また肘が伸びてしまうのなら重心をさらに低くすることで作ります。ようするにマスト加重とマストの動き(セイルの動き)とは連動しているわけではなく、別々に行われて、それが一緒になったときにジャイブが完成するということを認識しておきましょう。 |
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