大崎ウェイブ攻略法(改訂版)


カブネ攻略法

逗子マリーナ沖に位置するカブネは、波がヒットすると「ここが日本!?」と思えるほどのベストポイントとなる。南西風でもアプローチは可能だがクロスオンショア。カブネが最高になるのは、太平洋岸を通過した台風や発達した低気圧が波を運び、さらにその低気圧が太平洋へと遠ざかったり、異なる低気圧が接近するなど2次的な要素で北東風が吹いた時。ウネリと北東風が合わさることは年間通して幾度と無く(時には数年訪れない)、そのため10年以上ウェイブに熱中する連中でも、このカブネにアプローチ経験の無い者もいるほど幻的だ。

カブネには、沖合のポイントと逗子マリーナのテトラポットに向かう岸よりのポイントがあり、どちらも日本とは思えないほどのキレイなブレイクを見せ、ブレイクサイズも大きいが、南風も西風も基本的にかなりキツいオンショアとなる。西風の場合、クロスオンショアを覚悟するなら、沖合のポイントも逗子マリーナに向かうポイントもどちらもアプローチ可。

唯一カブネがベストとなるのは北東風でサイドオフショアの時。このとき風は逗子から大崎を回り込み、もしくは小坪マリーナからブローとして吹き出す。さらに、ロゴハイ〜マストサイズの波がヒットすることが数年に一度あり、この組み合わせが揃った時、幻のライディングとなる。

ウネリが大きい場合、カブネはサーファーにとってもベストポイントなるため、サーファーとのブッキングが避けられない。ただしブレイクがレギュラーなので(グーフィーへのブレイクは早すぎてサーファーは乗り切れない)、サーファーは乗ったら逗子マリーナ向きにレギュラーへと進む。対してウインドはスタボーのフロントボトムターンでグーフィーへと進むため、実際に波の上でのブッキングはほぼ起こらない。波待ちはサーファーの沖合で、そして乗ったら素早くダウンザラインへとボトムターンしてサーファーとお互いに背を向けて遠ざかれば問題無しだ。

またウネリが最大級の場合、フェイスは鎌倉湾の真ん中くらいまでラインナップしてそそり立つ。このときは100mのボトムターンでもフェイスが待っていてくれるほど。ただし崩れ始めるとプルアウトポイントが失われるので、慌てずにブレイクから逃げ続けて、はるか風下の鎌倉湾に入ってからタイミングを外さず波を降りる。

頭程度の波はベストで、3〜4回ダウンザラインすると、鎌倉湾の入り口手前でもう一度ピークが立つ。これはグーフィーに崩れる波で、すなわちスタボーでダウンザラインする正面から崩れ始めて対面する。これに出会えれば、誰でも簡単にエアーできる最高のワンチャンスだ。

波が肩、もしくは胸サイズなど小さなときは、グーフィーへのブレイクが遅く、そのためサーファーもグーフィーへと乗ることがありブッキングが激しくなる。また、鎌倉湾入り口での2度目のピークも訪れないため、サーファーの合間を縫ってのアプローチが必須。

いずれにしても北東はオフショア。マストブレイクなどトラブルに陥っても手助けできず、自力での対処が条件となる北東のカブネは、エキスパート以外の人たちには決してお勧めできないポイントだ。