連載コラム


ジャイブについて

いつもとは少し違った視点から考えてみるpart5

ジャイブを三分割する、その練習方法

アビームからアビームまで180度ターンすることを前提に解説した今回のコラムだが、そもそも180度ターン(ジャイブする)するのは難しい。セクション1から3までをパッケージとして同時進行でリンクさせて完成させるのは決して簡単なことではない。そこで普段の練習では、セクションを分割して練習することをオススメする。

例えば私のホームゲレンデである湘南、逗子。冬の季節風であるオフショアの場合、練習海域である湾外まで約1キロ弱を下って行く。その道すがら、下っている道中でジャイブするというシチュエーション。すでに下って走っているからそれはセクション1をすでに終えているということで、そこからのジャイブはセクション2。そしてそのあとまた下れば良いからセクション3もいらない。すなわちこのシチュエーションにおいては、セクション2だけを抽出して、集中的に練習できるということになる。

同じように考えるなら、クォーターで下っていて次にアビームまでターンしようとすればセクション2と3が練習できるし、アビームで走っていてそこから反対側のクォーターまでターンしようと思えば、セクション1と2が練習できるということになる。

私事だが、私が初めてレイルジャイブを「これがそうか!」と実感したのは、オンショアで遥か沖まで上った帰り道、気兼ねなく下っていた道中でのジャイブだった。それはまさしくセクション2だけの抽出ジャイブ。そうしてセクション2が理解できると、芋づる式にセクション1もセクション3も理解できた。意図したことではなかったが、セクションを分解して体感できたことは今に役立っている。

写真は本編とは別の本栖湖でのジャイブシーン。本栖湖ではどうしても「いつも上ろうと」する。そうでないとアッと言う間に風下に下ってしまうから。どうしても「今居る位置をキープしたくて」いつも上る。でもジャイブの練習という観点から見るなら、一度大きく風上に上っておいて、そこから下ることを恐れずにジャイブしてみるべきだと思う。そうしてジャイブの基軸となるセクション2に特化して練習したら、もしかしたら今までとは違う景色が見えるかもしれない。もしあなたが、ジャイブの上達に足踏みしてると感じているなら、あれもこれも同時シンクロで練習するよりも、三分割を頭の片隅に置いて、特にセクション2に集中して練習することを提案します。

the end