連載コラム


ジャイブについて

いつもとは少し違った視点から考えてみるpart3

セクション2

セクション1はまだジャイブではなくただのベアだった。さまざまな準備は必要だが、ジャイブの本格的な動作はまだ何もしていなかった。(2枚の白黒写真)

対して次のセクション2は、多くの場合ジャイブがこの場面だけを抽出して語られるように、まさしくジャイブの主たる部分。セクション1の「踏まない」に対して、ここで初めて「踏む」。

セクション2で最も大切なのは、セクション1でチャージしたエネルギーを一気に爆発させることだ。

セクション1で板に乗った体軸を「ターンの弧の内側に倒し込む」。同時に「後ろ足プレッシャー」で板を傾ける。その内傾も踏み込みも大胆に。

恐る恐る様子を伺いながらのプレッシャーだとターンは止まる。対して大胆に事を行うほど、スムーズに回り、止まらない。だからここでは失敗を恐れない大胆さがとても重要だ。

下の写真はまさにレイルプレッシャーをかけ始めたところ。セクション1での「踏む意識はないけど何となくレイルが傾いていた」のとは違い、乗り手が強く意識してレイルにプレッシャーをかけはじめた場面。板に垂直に立った体軸を一気にターンの内側に倒し込み、同時にプレッシャーをかけることで、まさにここからターンの頂点を迎えようとしている場面。

また必要であればセイルの再引き込みを行う場面でもある。セクション1の2枚目の写真(このひとつ前のシーン)と見比べると、セイルの引き込みが強まっているのがわかるだろう。セクション1で多少セイルが開いていても問題無いと言った理由はここにある。ジャイブというターンはここから始まる。すなわちセイルを引き込んでジャイブしたいなら、その引き込みもここが出発点になるということだ。

続く写真はレイルプレッシャー継続の場面。板がランニングを越えて一気に向きを変えてターンしているいるのがわかるだろう。上の写真の最初の踏み込み導入部で動きに大胆さが少ないと、このあたりですでにレイルの傾きが失われはじめてしまう。

下のセクション2の最後の写真、スローダウンしかけているものの、まだ板の傾きが保たれている。しかし多くの人はこの時点で板の傾きがまったく失われてフラットに戻ってしまう。その最大の理由は、セクション1からレイルプレッシャーをかけ始めてしまうことに起因する。セクション1を無視してジャイブを始めると、この場面ではすでに息切れしてしまう。息切れすると板の傾きが失われるだけでなく、遠心力に負けて体軸の内傾も失われる。対してセクション1とセクション2を二分割して、セクション2の導入部で一回目の踏み込みができれば、遠心力に負けずにターンが継続できる。

アビームから反対側のアビームまで180度ジャイブ(ターン)すると仮定して、セクション1ではベアという行為で風下45度まで向きを変えた。すなわちそれは全体の1/4を終えたということ。そしてこのセクション2の3枚を見ればわかるように、1回の踏み込みで一気に90度曲がった。すなわちそれは全体の2/4をターンしたということで、セクション1と合わせると、ここまででターンの3/4を終えたことになる。それでもまだ1/4が残っている。それがジャイブの最終仕上げであるセクション3だ。