スラロームのためのノーカムセイル

QR.Hさんからの質問

ノーカムスラロームセイルについて。イジーのCHEETAH、ロフトセイルのOXYGEN、ニールのSPEEDSTERのどれにするか悩んでいます。ジャストオーバー時のセイルの安定感を重視したいので、ブローが入ってすぐにドラフトが後ろに動くようなセイルは遠慮したく思いますが、情報を教えてください。

A候補の3セイルはもちろんですが、今のノーカムセイルで、ブローを受けてドラフトが不安定に動くセイルは見当たりません。「ブローを受けたらドラフトが不安定に動く。ノーカムとはそういうものだ。」という時代が過去にあったのは事実ですが、今は違うので、その懸念に関しては安心してください。

候補はどれも「性能的に良い」という評価をして間違い無いと思います。実際にどれも普及率が高く、スラロームボードや走り系のフリーライドボードに搭載してカムセイルと遜色無いスピードを楽しんでいる人も多くいます。もちろん性能的にカムセイルを凌駕できるわけではありませんが、カムセイルに匹敵するスピードがあるという文言に間違いは無いでしょう。私自身、競技に参加しない身として普段使いを考えると、7.8はカムセイルが良いと思うけど、その下の7.0や6.8はノーカムを選ぶと思います。その理由は、カムセイルにスピードは少し劣るけど、ジャイブでの取り回しの軽さなどの操作性を考えると大きな利点有りと思うからです。

スピードスターに関してはひとつ触れておくべきことがあります。それは耐久性。バテンとスリーブの交差する付近が、スリーブの内部から上下に断裂してしまうトラブルを抱える懸念です。その対策として、初登場の2017年から毎年、補強方法が更新されていますが、残念ながら2020年モデルまではその効果が薄いようで、壊してしまう人が多い。これはスピードスターを使うすべての人に起こることではなく、ダウンテンション加減や、使い方、さらには組み合わせるマストなど、さまざまな要因があるようで、何事も起こらずに長期間使い続けている人がいるのも事実ですが、少なくともそうした懸念があるというのは、選択上の情報として知っておいて損は無いと思います。

ただしニールは2019年の初秋にデリバリーした2020年モデルの初期ロットを最後に供給が途切れていて、次は今秋発表の2021年モデルとのことなので、ニューモデルではこの耐久性の問題は完全解決されているかもしれません。そうした状況を考えると、あくまで個人的に私がスピードスターの購入を考えるなら、まずは今秋発売の2021年モデルを待ち、さらにそれなりに供給されてから使わるであろう数ヶ月間の情報を集めて、そうした長期戦の上で耐久性が改善されていると思えた後に購入を決めると思います。もし質問者が3候補の中で「実はスピードスターに一番興味がある」とするなら、こうした「時期を見計らって」の購入をオススメします。それは言い換えると、中古や型落ち(新古)の購入はあまりオススメしないということです。

残るチーターとオキシゲンに関しては、耐久性的なことも含めて問題は無いと思います。もちろん何かしらのトラブル、例えば前に飛ばされてセイルに膝を強く突いた、なんてことがあれば別ですが、通常の使用でのトラブルは見たことが無いので安心。

また両セイルとも、細いRDMマストを使っても、また走り系の必須アイテムであるカーボン100%でないマストでも、十分に納得できる性能を乗り手に与えてくれるので、そうしたマストとの互換性も含めて、チーター、オキシゲンとも甲乙付け難いのが正直なところ。なので、どちらを選んだとしても満足のセイリングスピードが楽しめることでしょう。

それでも尚、選択に悩むとするなら、あとは形や色合いなどで決めれば良いと思います。セイルは多くの場合、性能が最重要視されますが、性能が横並びだとするなら、次は「形」や「カラーリング」などのビジュアルで決めるのはごく自然なことでしょう。