A:質問者は技量的に決して低くないレベルと思われます。また普段の活動も、たぶんスラローム中心に積極的にトライしているのでしょう。
現在手持ちのリバティーのノーカムは、たぶんLX SEVENなのだと思います。私はそれがけっこう好きで、カムセイルを「喰っちゃう」性能があると思っています。とは言えアンダーでどうにも不満が蓄積しているようなので、買替えを前提としてカムセイルについて考えてみましょう。
ブローホールでカムセイルが走り続けることができるのは、言うまでもありませんが、他ならぬカムのおかげ。カムとバテンとのコンビネーションによって固定されるドラフトカーブは、風が抜けても形崩れを起こさずに継続してパワーを生み出しやすいからです。たぶんここに違いを感じている質問者は、やはりカムセイルを使うべき(その違いがわかる)レベルであるのでしょう。
とは言え、一足飛びにトップレースセイルを選ぶことには多少の疑問があります。トップレースセイルは疑いなく最速のセイルですが、それを使いこなすには相当に高いレベルの技量が必要。実際のところ、トップレースセイルを使ってはいるけど「使いこなせていない」人が多いことも事実です。
対してセカンドレースセイルはもっとお手軽。私もそれを使っていますが、優勝を狙うガチガチのレーサーでも無い限りは、それの方が軽くて操作しやすいという理由で、結果的に速く走れることは多々あります。
強風になるほどジャイブの成功率が低下するなら尚更。ワイドなスリーブでセイル返しも厄介になるトップレースセイルよりも、少しスリムなスリーブで軽く返せるセカンドレースセイルの方が強風ジャイブ成功率も高まるはずです。
そうした現実を直視した上であらためて質問に戻ると、個人的見解としては、ロフトセイルの中で言うなら、レーシングブレードではなくスイッチブレードをお勧めします。
質問者がターゲットとするレーシングブレードはRDMでも張れますが、やはり基本はSDM。RDMで最高の性能を求めたいなら、レーシングブレードではなくてスイッチブレードの方が断然良いというのもその理由。
ホームページ上でも、また雑誌でも記事にしたことがあると思いますが、どうにも我々日本人は高級指向が強く、スラロームシーンで言えば、猫もしゃくしも最高級のセイルを使いたがる傾向が強くあります。でも本当に大切なのは、自分に合った道具を選ぶこと。背伸びしすぎて疲れちゃうくらいなら、地に足付けて地道に歩んだ方が結果としては良いものが得られると、私はそう思います。
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