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Q:T.Kさんからの質問 セイルのフィルム強度劣化について。知人から5年前(2011年モデル)のフリーライドセイル譲渡の相談がきました。購入当初に広げただけでまったく使用せずに保管していたようです。こうした、ほとんど新品同様の旧型モデルのセイルの購入は有りでしょうか、無しでしょうか。 |
A:そのセイルが、直射日光の当たらない、雨ざらしでないところで保管されていたなら「有り」と思います。セイルのフィルムは、日の当たらない室内などで保管した場合、10年以上を経過しても劣化ぜす「みずみずしいまま」なので安心です。ただし屋外で雨ざらしだったり、(セイルバッグに入ったまま)直射日光などで高温にさらされた場合は一気に劣化が進むので、そこは確認が必要でしょう。 もうひとつ、一度「広げた」とのことなので、その後、どのように「巻かれていたか?」も確認する必要があります。新品を購入した経験のある人ならわかるでしょうが、新品時セイルは「キツく」巻かれています。それが重要。ふんわりと緩く巻かれて保管されていたセイルは、ただそれだけで劣化していると注意すべきだからです。 緩く巻かれたセイルは、素材同士が支え合うこと無く、すなわち巻かれたフィルムとフィルムの間に大きな空間が生まれます。そうして巻かれたセイルを横置きしたなら、自重によって平たく「潰れて」しまうし、縦置きしたなら同じく自重によってフィルムにシワができます。そうしてどちらも傷みが加速度的に進行します。それは例えるなら「チャンバラごっこ」で新聞紙を丸めて刀に見立てるようなもの。緩く巻いた新聞紙はそれを「振り下ろした」だけでクニャリと折れ曲がってしまうでしょうが、キツく巻いた新聞紙は多少叩いても形崩れしないのと同じです。数多くのバテンを持つレースセイルなら多少緩く巻いてもバテンが支えてくれますが、バテンが少ないセイルほどこの「巻き加減」による劣化が進みやすいことも合わせて覚えておくと役立つかもしれません。 |
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