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Q:K.Mさんからの質問 最近12年間で3回ほどしかウインドできなかったのですが、子育ても一段落してウインドを再開したところ、思ったよりも出来ました。ところが再開に際する道具が12年前のウェイブセット(板90リッター、セイル5.8)のためストレスがあり、また、再開間もない現段階では波のある海面は自信無く平水面でのスピードならと中古でスラローム(2010年バーレーヘッズの90リッター)を手に入れました。自分的には昔乗り馴れた大きさとしてそのボリュームを選んだのですが(板に関しては現在不満無し)、セイルとマストで悩んでいます。吹いたら前出のウェイブセットを使うのであくまで穏やかなコンディションのセットとして、7.0あたりのセカンドレースセイルを考えています。しかしマストまで新規購入となると難しく、そこで手持ちのパワーレックスRDM430/21で使えるセイルを探しています。候補としてシマーの2XCを考えていますがどう思われますか。ちなみに当方、170センチ60キロ、以前はウォーターもできました。 |
A:質問から察するに質問者は相当レベルでウインドできる人とお見受けします。一般的に考えるなら90リッターのスラロームを選ぶには相当な思い切りが必要でしょうが、質問者はそれを乗りこなせる十分な技量を今も保てているのだろうと思います。その前提で回答します。 手持ちのパワーレックスが何年前のものかわかりませんが、文面からすると中断した12年前以前のものと想像できます。とするなら、当時の当該マストは今のものよりも「ボトム側が曲がりやすい」という特徴を持ち、それは今のものと比較するなら「下半分が曲がりやすい」、言い換えるなら「下半分が柔らか気味」という特徴を持ちます。 今のセイルはセカンドレースセイルも含めて昔より使用マストを選り好みしません。しかしそれはあくまで「今どきのマストに対する対応能力」。質問者のマストが、今と少し異なるベンドであるかもしれないことを考えると、そこが懸念材料に思えてしまいます。 カムセイルはノーカムセイルよりもどうしてもマストを選びます。対してノーカムはカムセイルほどマストを選びません。ということは、昔のマストを合わせやすいのはカムセイルよりもノーカムセイル、というひとつの関係が成り立ちます。だからと諦めモードでノーカムを選ぶのも問題でしょう。 しかし今のノーカムには一部、カムセイルをも凌駕するスピード性能を持つものもあります。その筆頭として挙げられるのが(あくまで個人的意見として)イジーのチーター。実際に並走してもけっこう速く、またアンダーが良いという感想もあります。それは「ワンサイズ小さくても良く走ってくれそうだ」ということでもあります。 マストとセイルの相性は、正直なところ実際にそれを張り、使ってみないとわかりません。なので理想を言うなら、まずは候補の2XCを手持ちマストでセットし、実際に使ってみること。そうすれば一目瞭然、その組み合わせがどうであるかわかるでしょう。しかしそのためには周りに当該セイルを使う仲間がいるとか、試乗会等の機会が無いと、です。 もしそうした試しの機会が無いとするなら、すなわち一発勝負で購入を決定しないとならないのであるなら、第1候補は2XCとし、抑えとしてチーターの6.5を提案します。理由は、2XCと手持ちマストが合致するならチーターとも合致するはずということ、しかしチーターの7.0はラフ長465センチで、すなわち430のマストではエクステンションを35〜37センチアップしなければならず、対して6.5なら24〜26センチのエクステンションで足りること、さらにセイルとしてのアンダーに強い性能をして、根本的にアンダーを乗りこなせるのであろう質問者ならそのサイズでも十分ではないだろうかという想像、加えて90リッターというボードサイズに対してはより小さいセイルサイズの方が相性が良いに違いないだろうとこと。追加として、レギュラーにウェイブに乗れることから、少しタイトな性格を持つウェイブチックなフィーリングのセイルの方が使い勝手が良さそうに思えること。それらを考え合わせてのひとつの提案です。 もちろん第1候補は2XCにあるのですから、まずはその検証が必要でしょう。しかしそれが叶わないとするなら、もしくは安全パイを選びたいとするなら、チーターが候補筆頭に名乗りを上げる可能性は高そうに思います。 |
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