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Q:H.Kさんからの質問 ウェイブと、たまにフリースタイルを中心に楽しんでいるサンデーセイラーです。最近ウインドを始めた妻とライトウインドで楽しめるようにとスターボードのGOを購入しましたが、あまり面白くありません。初心者である妻と、それでいて私も楽しめるような板があれば教えてください。 |
A:質問者はそれなりにウインドが「出来る方」とお見受けしますので、初心者の奥様と共に楽しめる板を探すのは難しいところでしょう。ここで考えなければならないのは、たぶん初心者が楽に乗れて(風の弱い時に特にウインドの走る爽快感を楽しめて)、それでいて「出来る」質問者も同時に楽しめる要素は何か?ということ。 奥様にとっては、きっと安定感(バランス感)と走り出しの直進安定性が重要と思われます。合わせて質問者に重要なのは、きっと走り出したあとのスピード感となるでしょう。 その両者を合わせ持つのは、GOのようなエントリーセイラー(初心者)向けの板ではないと思います。老舗スクールでも体験者用に使われてもいるGOは、たしかに安定感抜群で初心者には最高ですが、乗れる人には物足りないことは必然。対して質問者が求めるのは、安定感よりも直進性とスピード(走りの性能)という2要素を満たしてくれる板。 導き出せることとして、幾つかのデザイン的な要素が見えます。まず、安定感のための横幅(ワイデス)。同じ大きさ(ボリューム)とした場合、横幅が広い方が安定感に優れるということ。 次に長さに影響されるアウトライン。短い板はどうしてもアウトラインが曲線的になり、対して長めの板はアウトラインがそれより直線的。アウトラインには曲線的なほど回転性には優れるけど直進性が劣り、逆にアウトラインが直線的なほど回転性はイマイチだけど直進性に優れるという関係があります。それを考えると、初心者の奥様のためには少しアウトラインが直線的、すなわちあまり短すぎない板が良いだろうということになります。ただし、長さとアウトラインの関係は必ずしも上記した通りとは限らないので、マニアックに言うなら、長さを参考にして、見るべきはアウトライン。 そして基本的なところとして板のボリューム。質問者と奥様の体格が不明なので一般論として言うなら、少し奥様向けにボリュームを加味して、135〜145リッターくらいになりそうです。ちなみに、使用場所が海水と淡水では体感浮力に違いが生じるので、それも考慮材料になるでしょう。 さらに、都合の良いことに雑誌フリーライドボードテストをしたので、彼ら(テスターたち)の感想も考慮するなら、流行のマルチボードはサイズが大きくなるほどワイドの比率が高くなり、ゆえにアウトラインが丸くなって直進性に難しさが生じる恐れがある、との理由で、定番と呼ばれる板の選択が良いように思えます。 その定番板とは、普及率も考慮するならJPのX-CITE RIDE、もしくは少し背伸びしてSUPER SPORT、またスターボードのFUTURAあたりにあるでしょうか。 盲点なところで言うなら、ビックのTECHNO148というのもあります。上記テスターの評価が直進性及びスピード性ともに想像以上に高く、ボリュームの割には扱いやすさも高く、それでいてコストパフォーマンスに優れるという美味しさがあるようなので候補のひとつに挙げるに値するかもしれません。 |
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