ホットセイル FREESTYLE-PRO

QY.Iさんからの質問

日本海で、ラージウェイブセイルとしてホットセイルのFREESTYLE-PROを考えています。ラフ海面〜腰程度の波でオールシーズン使用すると想定した場合、デメリットはありますか。

A最近、マニアック且つピンポイントなギアに関する質問が多いのですが、近場に使用者が居ないため情報収集に時間がかかってしまっています。当質問も同様で、私自身の使用経験は無く、また使用状況を実際に目にしたことも無く、回答掲載までに1ヶ月以上を要してしまったことをお詫びします。当回答に関しては、当該旧モデルを実際に使っていた方々に話を聞くと同時に、ホットセイルの国内総輸入元であり、長らくプロとしても大活躍していた(現在も尚ハイパフォーマーである)福島英彦氏にもお話を伺ってまとめました。

結論から言えば、当該セイルはウェイブの使用に適しません。フリースタイルプロは、その名に「プロ」と冠されているように、PWAフリースタイル競技における勝利を約束すべく作られた「フリースタイル専用セイル」。それがウェイブ的な使用に適さない理由は以下の2点です。

今のフリースタイルトリックの多くは「裏風」を使います。そのため当該セイルのフォイルは浅く、すなわちセイルが平らで、それはウェイブにおけるボトムターンで「前へ引っ張ってもらう」ようなパフォーマンスには適さないと言えます。たぶんウェイブ的な使い方だと、風が抜けやすく(パワーレスしやすく)、ターンが不安定になりがちでパフォーマンスが発揮しにくいと考えられます。

もうひとつが素材的な耐久性の面。フリースタイル専用のため当該セイルのフィルムは薄く(ゆえに軽くパフォーマンスできる)、それが小波であっても「波に巻かれる」ことによる耐久性を想定していません。だからと必ずしも「切れやすい」ということではありませんが、ウェイブセイルが耐久性も考慮して作られていることを考えれば、当該セイルをウェイブコンディションで使うことは耐久面でリスクを背負うことになるでしょう。

ラフ海面止まりでフリースタイルを含めたパフォーマンスに使うなら良いですが、波間で使うことも想定するならやはりウェイブセイルを選んだ方が賢いだろうと思われます。