フリーライドの今

QM.Mさんからの質問

現在、05年のJP SUPER-X116を夏場のメインボードとして使ってします。気に入っているのですが、さすがに年式が古くなってきたので板の更新を考慮中。そこで、現在のフリーライドボードが9年前と比べてどの程度進化したのか教えてください。求めるのは琵琶湖のチョッピーな水面での乗りやすさとオフショア時の平水面でのストレスの無いスピード。当方、技術的にはプレーニングは大丈夫ですがジャイブは後半で失速することもある一般レベル。ちなみに候補としてはJPのSUPER SPORTS、同じくALLRIDE、スターのFUTURA、RRDのFREESTORM、ファナティックのRAYあたりを考えています。

A一概には言えませんが、正直なところフリーライドの進化は9年前と比べてそれほどのものではないと思います。もちろん進化はしているのですが、それは「速さ」であったり、「ジャイブ性能」であったりと一芸に秀でる部分での進化であり(すなわちそれはスラロームにより性能を近づけた、というようなこと)、フリーライドに求めたい本来の姿である「オールマイティーな」性能面での進化という面では「それほどでない」と言えると思います。

そうした中で最近注目なのはマルチボードと呼ばれる板。これに関しては雑誌でも取り上げられているのでここでは詳細を省きますが、例えばそれは近年のフリーライドが手にした「スラローム並みの速さ」に疑問を投げかけ、「それほどの速さは必要無いだろう。その行きすぎた速さを多少削ってもジャイブの楽しさに性能を振り分けよう」というような「あらゆる性能の平均値を求める」趣旨で作られた、言うなれば本来あるべき姿へと回帰したフリーライド。しかもこれまでの時間的経過を経ているがゆえに、9年前とは速さもジャイブ性能も、セイルアップも静止バランス性能も、すべての性能が一回り加算された板。

そうした意味で、板の更新としては、マルチボードを筆頭候補にするのが良いのではないかと思われます。加えて現在JPに乗っていることを考えれば、その乗り味を継承するだろうJPのマジックライドがイチ押し。マジックライドは平水面での速さも楽しめるので(実際に乗って相当に楽しいと感じました)、質問者の要求に大いに答えてくれると思います。

もしマジックライドを選ぶとするなら、その候補サイズは118。たぶんそれは今の板よりも圧倒的に弱風時のバランスが良く、アンダーで操作しやすく、それでいて吹いても扱いやすいはず。幅の広いマルチボードはチョッピーな水面でどうか?と思われがちですが、例えばスラロームボードでも今は幅広く、にもかかわらず吹いても操作性が以前よりも向上していることで証明できるように、必ずしも幅の広さがラフ海面での操作性に直結するものではないので、そこはご安心を。