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Q:K.Yさんからの質問 微・中風用に115〜125リッターあたりのスラロームボードを検討しています。170センチ、64キロ。セイルは7.8がmaxサイズと考えています。候補はi-SONIC、Xファイアー、ファルコン、F2-SX、バーレーのワークス、マンタ。レース参加を前提とはしていませんが、カムセイルとスラロームの走りが好きなのでこの候補の中からトーラルバランスの良いのを選びたいと考えています。 |
A:今のスラロームボードは成熟期真っただ中にあるので、どれを選んでも間違いというのはありません。その成熟とは、速さだけでなく操作性や乗り手の体格の許容範囲の広さなども含んでの意味なので、「板選びを間違える」という概念自体が存在しないとさえ言えるでしょう。 しかしそれだと板選びの結論が見えてきません。そこで指針となるのが、その板がどのような状況で作られているか、誰が乗っているか、どのくらいの人たちがそれを愛用しているか、などの雑情報です。 F2はPWAでこそ多くの参加が見えますが、国内においてはここ数年陰を潜めています。雑誌のカタログ号にも最近1年半の掲載が無く、国内で乗っている人もいないので直接的な情報は皆無。「みんなと同じ板はイヤ」という趣旨なら選択肢となるでしょうが、その選択はちょっと冒険的と言えるかもしれません。 マンタは2013年モデルで大きく変わりました。それまでは、初速&ブローホールでの持続力という圧倒的なアピールポイントがあったのですが、大幅なモデルチェンジ後それらがどうなったのかまだわかりません。と言うのは、レーサーの中で乗る人があまり多くないため情報の伝達がどうしても遅く、まだそのポテンシャルを認知するまでに至っていないからです。 バーレーは、ライダー不在のため開発が停滞気味と解釈する人が多いようです。実際のところ、残念なことに最近は選択肢として話題にも挙りにくくなっています。やはり活躍する人がいないと善し悪しの判断以前に情報が供給されず、わからないから選択肢から外しておいた方が無難と見られてしまうのでしょう。 となると、安全な選択肢はスター、ファルコン、RRDに絞り込まれます。 その中でスターは、競技指向が強いと言えます。レースシーンで多くの人が愛用し、多いに活躍しているのでその性能はあらゆる面で完全ですが、他の2つと比べると全長がやや短めでノーズセクションのボリュームが少なく感じるかもしれません。それは特に微風の、オフショアなどで上ってくる時のタックにやや難ありと解釈できます。レースをするならこれらは二次的な要素なので問題視されないにしても、質問者のようにレースを前提としない場合は、タックもまたその板を考慮する時のトータル性能のひとつの大きな要素になるはず。そうした意味で選択肢として疑問が残る、と考えられます。 このように考えると残るはファルコンとRRD。 その2つを見比べると、質問者の対象になるのは(使用セイルサイズも考慮して)、ファルコンなら112か122、RRDなら114か122。体重を考えるなら7.8で112もしくは114で十分と思いますが、もしホームゲレンデがガスティーであったり、平水面であることが多いようなら、122を選ぶことでより快適な初速が得られると思います。その選択はホームゲレンデのコンディションに左右されます。 ファルコンかRRDかどちらを最終的に選ぶか。その結論は難しいです。どちらを選んでも走りも回転性も大満足できるはず。あとは価格とか色とか形とか、さらにもっと初歩的にフィーリングで選ぶ、というレベルで良いと思います。 ちなみに、マンタのようにまだ情報が少ない板に関しては、今後の情報次第では(この情報にはチューニング情報なども含まれます)大いに選択肢になる可能性もあります。それを念頭に置いた上で、ここに記したことはあくまで今現在(2013年3月現在)のことであることをお忘れないように。 |
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