セバーンMOJO

QT.Aさんからの質問

セバーンのMOJOについて。6.7で7.5くらいのパワーがあるということなのでしょうか。風が上がっても大丈夫なのでしょうか。

AセバーンのMOJOは、小さなサイズでもワンサイズ大きなセイルを使うように風の弱い時から走り出せるトルクを持つセイルとして登場しました。どうしても人より大きなサイズを使うことを余儀なくされる大柄なセイラーが、無理して大きなサイズを使わずにみんなと同じサイズで走り出せる。また普通の体格の人ならば、取り回ししやすくてより軽いワンサイズ小さなセイルを使っていながら周りと同等の走りが楽しめる、というメリットが前面に押し出されたセイルです。

その言葉に偽りはないようです。優れたトルク性能は、確かに同サイズの他のセイルよりも加速力を高めています。ただしそれは質問にある6.7で7.5くらいほどではなく、6.7で7.0くらい。

一般的にトルクフルなセイルは、時としてその利点をセイルの柔らかさに委ね、すなわちセイルが「たわ〜ん」と風を溜めることで走り出しに強いものの、いざ本格的に走り出してしまったあとは、それが特にオーバーセイルの場合は、腰砕け的に乗れなくなると思われがち。しかしMOJOにその心配は無いようです。

6.7の場合、それを支えるのが460という使用マスト。このサイズだと通常430が指定ですが、460が指定されることで(より腰の強い長いマストを使うことで)、セイルに腰の強さが生まれ、強風にも耐える性能が備わっていると言えるでしょう。アウトテンションを風速に合わせてチューニングしてやれば、6.7なのに7.0台並みの加速が得られ、吹き上がった時は6.7相当の強風対応能力を見せてくれる、そんな適応風域の広さを持つと言えます。

しかし残念ながら、普及率はあまり高くないようです。その理由もまた、6.7で460指定という使用マストサイズに原因があると考えられます。他の同サイズセイルが指定する430ならば小さなセイルへの互換性がありますが、460だとより大きなセイルへの互換性しか無く、小さなセイルの購入という将来を見据えたときにマスト1本分の負担が増えます。それが負担増と受け止められて、MOJOの評価を、セイルとしての本質的性能評価とは別のところで下げてしまっているという側面もあるようです。